ヤリスは5人乗りだけど狭いのは本当？サイズやシートの特徴を徹底解説

トヨタヤリスはコンパクトなボディと優れた燃費性能で人気のある車ですが、「ヤリスで5人乗りは狭い」と感じる方も多いようです。特に後部座席は広々としているわけではなく、大人3人が座ると圧迫感があり、長時間の移動では快適性に課題が出ることがあります。

また、ヤリスの後部座席は倒せる仕様になっており、荷室スペースを拡張できます。ただし、完全にフラットにはならないため、大きな荷物を積む際には工夫が必要です。さらに、後部座席にチャイルドシートを設置するとスペースが限られ、隣に大人が座るのが難しくなることもあります。

では、ヤリスの後部座席は実際にどの程度狭いのか、5人乗車は可能なのか。本記事では、後部座席の広さや快適性、シートアレンジの実用性について詳しく解説します。ヤリスの後部座席が狭すぎるのか、それとも工夫次第で快適に乗れるのか、検証していきましょう。

ヤリスで5人乗りは狭い？後部座席の快適性を検証

後部座席は狭い

ヤリスの全幅は1,695mmで、コンパクトカーの中では一般的なサイズです。後部座席のシート幅も標準的な仕様ですが、座面自体は比較的コンパクトに設計されています。

後部座席の足元スペースについては、前席の位置によって大きく変わります。運転席や助手席を後ろにスライドさせると、後部座席の足元は狭くなり、膝が前席に当たる可能性があります。特に身長が170cm以上の方にとっては、ゆったり座るには少し厳しいスペースかもしれません。

一方で、後部座席の座面はやや高めに設定されており、視界の確保には配慮されています。短距離移動であれば問題なく使用できますが、長時間の乗車では体勢の調整がしづらく、快適性に影響が出ることも考えられます。

後部座席3人での乗り心地

ヤリスの後部座席で大人3人が座ると、実際の快適性には限界があります。最大の課題は横幅の狭さであり、大人3人が並ぶと肩や肘が触れ合いやすくなります。特に体格の大きな方や冬場に厚着をしている場合、さらに圧迫感を感じることになるでしょう。

また、中央席の座り心地にも注意が必要です。ヤリスの後部座席は左右の席に比べて中央席のクッション性が低く、長時間座ると疲れやすくなる可能性があります。さらに、中央席には独立したヘッドレストがないため、首や背中への負担が大きくなる点も考慮すべきでしょう。

短時間の移動であれば3人乗車も可能ですが、長時間のドライブや長距離移動には向いていません。特に大人3人が座る場合は、快適性を求めるなら避けたほうがよいでしょう。

4人で乗っても狭いと感じる

ヤリスのルーフラインは後方に向かって低くなっており、背の高い方にとっては頭上のスペースが不足する可能性があります。特に長時間の移動では、天井が低いことで圧迫感を覚えることもあるでしょう。

前後2人ずつの4人乗車であれば、後部座席に座る人も比較的快適ですが、それでも長時間のドライブでは窮屈に感じることがあるでしょう。そのため、ヤリスを4人で使用する場合も、長時間のドライブはおすすめできません。

ただし、後ろに乗る人が小学生以下のお子さんの場合は、全く問題なく快適に過ごせます。

後部座席は倒せるがリクライニング機能は無い

TOYOTAヤリス公式

ヤリスの後部座席は6:4分割可倒式となっており、背もたれを倒すことで荷室スペースを拡張できます。荷室の基本容量は約270Lとコンパクトカーとしては一般的なサイズですが、後部座席を倒すことで長さのある荷物や大きな荷物も積載しやすくなります。

ただし、シートを倒した際に完全なフラット状態にはならず、多少の段差が生じます。そのため、荷物を安定して置くためにはクッションやマットを利用するなどの工夫が必要です。また、一部グレードには「アジャスタブルデッキボード」が装備されており、これを活用することで荷室の高さを調整し、より便利に使うことができます。

荷物を多く積む際には後部座席を倒すことでスペースを確保できますが、後部座席に人を乗せながら荷物を積みたい場合は限界があります。そのため、普段の買い物や短期間の旅行程度であれば十分なスペースを確保できますが、キャンプや長距離旅行など、大量の荷物が必要なシーンでは少し工夫が必要になるでしょう。

また、先述の通りリクライニング機能は無いため、座った状態で背もたれの角度を調整することはできません。通常のセダンやミニバンであれば、リクライニング機能を活用して快適な姿勢に調整できますが、ヤリスの場合は背もたれの角度が固定されているため、長時間の乗車では腰や背中に負担がかかることがあります。特に、高速道路での長距離移動や、車中泊を想定する場合には、リクライニング機能がないことで快適性が損なわれる可能性があるでしょう。

後部座席にチャイルドシートを設置すると狭い？使用時のポイントも解説

ヤリスの後部座席には、ISOFIX対応のチャイルドシート固定金具が装備されており、安全に設置することができます。しかし、コンパクトカーであるため、チャイルドシートを設置するとスペースがさらに狭く感じられる点には注意が必要です。特に、後ろ向きのチャイルドシートを取り付ける場合、前席のシートを前方にスライドさせる必要があるため、運転席や助手席の足元スペースが狭くなることがあります。これにより、特に身長の高い方が運転する際には窮屈に感じる可能性があるでしょう。

また、後部座席に2台のチャイルドシートを設置することも可能ですが、その場合は中央席のスペースがほとんどなくなります。大人が中央席に座るのは難しく、特に長距離移動では窮屈さを感じやすくなります。そのため、ヤリスでのチャイルドシート使用は、1台であれば問題なく対応できますが、2台以上設置する場合はスペースの制約を考慮する必要があります。

使用時のポイント

ヤリスでチャイルドシートを快適に使用するためには、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。まず、ISOFIX対応のチャイルドシートを選ぶことで、より簡単かつ確実に装着することが可能です。ISOFIXはシートベルトを使用せずに固定できるため、安全性が向上するだけでなく、取り付けや取り外しもスムーズに行えます。

次に、チャイルドシートの設置位置にも注意が必要です。基本的には後部座席の左右どちらかに設置するのが一般的ですが、助手席を前にスライドさせることで、後部座席のスペースを確保しやすくなります。ただし、前席の乗員の足元スペースが狭くなるため、バランスを見ながら調整することが大切です。

さらに、ヤリスのリアドアは比較的小さめの設計となっているため、大きなチャイルドシートを出し入れする際には少し手間がかかることがあります。そのため、チャイルドシートのサイズや形状を事前に確認し、実際に装着しやすいかどうかを試してみることをおすすめします。特に、座面の高さやドアの開閉スペースを考慮すると、使い勝手が向上するでしょう。

狭いヤリスで5人乗り合わせる場合の改善点

TOYOTAヤリス公式

狭すぎ？他のコンパクトカーと比較

ヤリスの後部座席の広さを他のコンパクトカーと比較すると、決して広いとは言えません。同クラスのホンダ・フィットや日産・ノートと比較すると、室内空間はややタイトな印象を受けるでしょう。

例えば、フィットは「センタータンクレイアウト」を採用しており、後部座席の足元空間が広めに設計されています。また、ノートもコンパクトカーながら室内長が確保されており、後部座席のスペースに余裕があります。

一方、ヤリスはスポーティなデザインや運転のしやすさを重視しているため、室内空間よりも走行性能に重点を置いた設計になっています。そのため、後部座席の広さを最優先に考える場合は、他の車種を検討するのも一つの選択肢となるでしょう。

ヤリスの室内寸法

フィット室内寸法

参考：札幌ホンダ｜ホンダ「フィット」のサイズは？ボディ・室内・荷室など詳しく解説

ノート室内寸法

参考：カーミー｜日産 3代目ノートの荷室・収納のサイズや使い勝手は？【プロ徹底解説】

狭いのになぜ売れるのか

ヤリスの後部座席が狭いという意見があるにもかかわらず、販売台数は好調を維持しています。その理由としては、燃費の良さ、走行性能の高さ、コンパクトな車体サイズによる運転のしやすさ、それに加えてトヨタブランドの信頼性、リセールバリューの高さなどが挙げられます。

まず、ヤリスはハイブリッドモデルを中心に優れた燃費性能を誇り、WLTCモードで35km/L以上の低燃費を実現しています。これは、ガソリン代を抑えたいユーザーにとって大きな魅力です。特に都市部ではストップ＆ゴーが多いため、ハイブリッド車の燃費効率の良さが活かされやすい点も評価されています。

また、コンパクトなボディサイズにより、小回りが利く点も人気の理由の一つです。最小回転半径が4.8m〜5.1mと狭く、駐車や細い路地での取り回しがしやすいことから、初心者や女性ドライバーにも支持されています。さらに、最新のプラットフォームを採用しているため、コンパクトカーでありながら安定感のある走行が可能で、高速道路や長距離ドライブでも安心して運転できる点が評価されています。

中古市場でも高い評価を受けるヤリスのリセールバリュー

ヤリスはコンパクトカーの中でもリセールバリューが非常に高いことが特徴です。中古車市場においては、トヨタのブランド力とヤリスの人気が影響し、他の同クラスのコンパクトカーと比較しても買取価格が安定しやすい傾向があります。

特に、ヤリスのハイブリッドモデルは中古市場でも需要が高く、低走行車や状態の良い車両であれば、新車価格の70％以上で売却できるケースも珍しくありません。ガソリンモデルでも市場での人気が根強く、適切にメンテナンスを行っていれば数年乗った後でも比較的高値での売却が期待できるでしょう。

また、日本国内だけでなく、海外市場でもヤリスは高い評価を受けており、輸出市場でも需要があるため、リセールバリューの高さを維持しやすいのが特徴です。

このように、ヤリスは後部座席の広さよりも燃費性能や運転のしやすさ、そして資産価値の高さに重点を置いた設計となっています。そのため、後部座席のスペースに不満を感じるユーザーもいるものの、それ以上に長期的な経済性や売却時のリセールバリューの高さが評価され、人気を維持しているのです。

ヤリスに対する口コミ

後部座席を広く使うための工夫

ヤリスの後部座席を少しでも快適に使うためには、いくつかの工夫が必要です。まず、座席の配置を工夫することで、狭さを軽減できます。例えば、運転席や助手席を適度に前に出すことで、後部座席の足元スペースを確保しやすくなります。

また、チャイルドシートを設置する場合は、できるだけ後部座席の左右どちらかに寄せることで、中央席を有効活用できるようになります。中央席を荷物置き場として使うことで、後部座席の乗員がより快適に過ごせるでしょう。

さらに、後部座席を倒して荷室スペースと一体化させることで、広々とした空間を確保できます。例えば、旅行時やアウトドアで大きな荷物を積む際には、可倒式のシートを活用することで、荷物を安定して積むことが可能です。

加えて、シートクッションや背もたれにクッションを追加することで、座り心地を向上させることもできます。特に長距離移動では、腰の負担を軽減するためのクッションを活用するのが有効です。このように、ちょっとした工夫をすることで、ヤリスの後部座席をより快適に使うことができます。

5人でゆったり乗りたい場合の選択肢

ヤリスの5人乗車が厳しいと感じる場合、他のコンパクトカーを検討するのも一つの方法です。例えば、ホンダ・フィットや日産・ノートは、ヤリスと同クラスのコンパクトカーですが、後部座席のスペースに余裕があります。

フィットは「センタータンクレイアウト」により、後部座席の足元が広く設計されています。これにより、身長が高い方でも快適に座ることが可能です。また、シートアレンジの自由度が高く、荷室と一体化させることでより広い空間を確保できます。

一方、日産・ノートは後部座席の高さが確保されており、ヘッドクリアランスが広めです。これにより、背の高い方でも圧迫感を感じにくいという特徴があります。さらに、ノートのe-POWERモデルは燃費性能が高く、静粛性にも優れているため、快適な移動が可能です。

もし5人で快適に乗車することを重視するのであれば、コンパクトSUVのヤリスクロスやトヨタ・ルーミーなど、より広い車種を選ぶのも一つの手です。ヤリスのサイズ感は都市部での取り回しの良さが魅力ですが、長時間のドライブや大人数での使用を考えるなら、より広い車種を選ぶのが賢明でしょう。

ヤリス5人乗りは狭いのまとめ

記事のポイントについてまとめます

• ヤリスはコンパクトカーであり、5人乗りでは後部座席が窮屈になりやすい
• 後部座席の横幅は大人3人が並ぶと肩が触れやすく圧迫感がある
• 中央席のクッション性が低く、ヘッドレストもないため快適性に欠ける
• 前席を後ろにスライドすると、後部座席の足元スペースがさらに狭くなる
• ルーフラインが後方に低くなっているため、頭上のスペースに余裕がない
• 長時間の移動では背もたれのリクライニング機能がないため疲れやすい
• 4人乗車でも後部座席のスペースは限られており、快適とは言いがたい
• チャイルドシートを設置するとさらに後部座席のスペースが制限される
• 後部座席は6:4分割可倒式であり、荷室スペースを拡張することは可能
• ただし、後部座席を倒しても完全なフラットにはならず段差ができる
• 最小回転半径が小さく、小回りが利く点は都市部での運転に適している
• 燃費性能が優秀で、特にハイブリッドモデルはWLTCモード35km/L以上
• トヨタブランドの信頼性があり、中古市場でのリセールバリューが高い
• 海外市場でも人気があり、特にハイブリッド車は高値で取引されやすい
• 5人で快適に乗るなら他のコンパクトカーやSUVを検討するのも選択肢