車を操る歓びと実用性を兼ね備えたモデルとして、ホンダのN-VAN、特にマニュアル車の存在感が高まっています。商用車ベースでありながら、そのレビューでは「運転そのものが面白い」という声が多く聞かれます。雪国でも安心な4WDの設定や、昨今のMT廃止の流れの中で貴重な存在となっている点も注目されています。
市場では中古価格が高値で安定するほどの人気ぶりで、自分好みにチューニングを楽しんだり、夢のターボ化を検討したりするファンも少なくありません。維持費に関わる燃費性能も優秀で、広大な荷室を活かした車中泊などのカスタムも自由自在です。
この記事では、そんなN-VANのマニュアルモデルがなぜこれほどまでに愛されているのか、その理由を深掘りしていきます。
記事のポイント
- 6速マニュアル独自の爽快なシフト操作と運転感覚
- 実燃費や雪道での4WD性能など維持費と実用性
- グレードによるMT設定の有無や中古車市場の動向
- 車中泊カスタムや走行性能を引き出す楽しみ方
N-VAN 6MTが楽しいと言われる理由

- 評判が高いN-VAN 6MTのレビュー
- 雪道に強いマニュアル4WD
- 気になるN-VAN 6MT 燃費の実力
- 注意したいN-VAN MT 廃止の情報
- 希少な6MT試乗車の探し方
評判が高いN-VAN 6MTのレビュー
N-VANの6速マニュアル車に乗った多くのドライバーが口を揃えて評価するのは、商用車とは思えないシフトフィールの良さです。ホンダの軽スポーツカーであるS660のトランスミッションをベースに開発されているため、カチッとした節度感があり、ギアを操作すること自体に快感を覚える仕上がりとなっています。
自然吸気エンジンのパワーを使い切って走る感覚も、この車の大きな魅力です。絶対的なスピードは控えめですが、適切なギアを選び、エンジンの回転数を合わせて走らせるプロセスは、まさにスポーツドライビングの基本そのものです。重い荷物を積載した状態でも、適切なギア選択によって力強く加速させることができ、車との一体感を感じられます。
また、高回転までスムーズに吹け上がるエンジンの特性も評価されています。日常の買い物や通勤といった何気ない移動時間が、マニュアル操作によって能動的な楽しみに変わるという意見も多く見られます。単なる道具としての商用車を超え、趣味の相棒として愛されている理由がここにあります。
雪道に強いマニュアル4WD

降雪地域に住むユーザーや、ウィンタースポーツを楽しむ層から絶大な支持を得ているのが4WDモデルの存在です。N-VANの4WDシステムは、路面状況に応じて後輪にも駆動力を配分するビスカスカップリング式を採用しており、滑りやすい路面でも安定した発進と走行をサポートします。
マニュアルトランスミッションと4WDの組み合わせは、雪道において非常に強力な武器となります。ドライバーの意思で低いギアを保持して強力なエンジンブレーキを使ったり、繊細なクラッチワークでタイヤの空転を防ぎながら発進したりと、車両の挙動をコントロールしやすいからです。
【FFと4WDの選び方】
- FF(2WD)がおすすめ: 市街地走行がメインの方、燃費や購入コストを抑えたい方。
- 4WDがおすすめ: 降雪地域にお住まいの方、スキーやキャンプで未舗装路や山道を走る機会が多い方。
最低地上高も確保されており、多少の深雪や未舗装路でも腹下を擦りにくい設計となっています。実際に雪国での配送業務や、スキー場へのエクスプレスとして活用しているオーナーからは、その頼もしさと走破性の高さを評価する声が上がっています。

気になるN-VAN 6MT 燃費の実力
維持費を抑えたいユーザーにとって、燃費性能は非常に気になるポイントです。まずは基本的なスペックを確認してみましょう。
| 項目 | データ (G・6MT・FF) |
|---|---|
| エンジン | S07B 水冷直列3気筒DOHC |
| 最高出力 | 39kW (53PS) / 6,800rpm |
| 最大トルク | 64N・m (6.5kgf・m) / 4,800rpm |
| WLTCモード燃費 | 19.8km/L |
| 燃料タンク容量 | 27L (無鉛レギュラー) |
カタログスペックにおけるWLTCモード燃費は、GグレードのFFモデルで19.8km/Lという数値を記録しています。これは積載性を重視したハイトワゴンタイプの軽バンとしては良好な水準と言えます。
実燃費に関しても、マニュアル車ならではの強みがあります。CVT車と比較して動力の伝達ロスが少ないため、ドライバーの技量次第でカタログ値に近い数値を出しやすい傾向にあります。特に信号の少ない郊外路や長距離の巡航では、6速ギアを活用することでエンジン回転数を低く抑えられ、燃費を伸ばしやすいでしょう。
ただし、エアコンを多用する夏場や冬場、またストップアンドゴーの多い市街地のみの走行では、燃費は相応に低下します。それでも、自らの操作でエコドライブを実践できる余地が大きい点は、経済性だけでなく運転のゲーム性という意味でも楽しさにつながっています。
効率よく走るコツとしては、以下のようなイメージが挙げられます。
- 市街地では早めのシフトアップで回転数を抑える
- 上り坂や合流では、1〜2段低いギヤを選びパワーバンドをキープする
- 高速道路では6速を活用して回転数と騒音を抑える
このように、燃費を意識した運転と、楽しさを重視した運転はある程度トレードオフの関係にあります。状況に応じて走り方を切り替えられるかどうかが、N-VAN 6MTを長く快適に使ううえでのポイントになります。
参考:ホンダN-VANスペック

注意したいN-VAN MT 廃止の情報

N-VANの購入を検討する上で必ず押さえておきたいのが、グレードによるマニュアル設定の有無です。2024年4月に実施された一部改良において、グレード構成の見直しが行われました。現在のマニュアル設定状況は以下の通りです。
- 廃止:標準的な実用グレード「L」のマニュアル設定
- 継続:シンプルなエントリーグレード「G」の6速マニュアル
- 継続:丸目の上級グレード「FUN」(旧+STYLE FUN)の6速マニュアル
特に仕事と趣味を両立させたいユーザーにとって、「L」グレードの選択肢がなくなったことは注意が必要ですが、依然として「FUN」や「G」グレードでマニュアルが選べることは朗報と言えます。
また、将来的な電動化の流れや安全装備の高度化に伴い、純粋なガソリンエンジンのマニュアル車がいつまでラインナップに残るかは不透明です。新車で自分好みの仕様を手に入れられる期間は限られている可能性もあるため、早めの検討が必要かもしれません。
希少な6MT試乗車の探し方
実際にその楽しさを体感しようと思っても、N-VANの6速マニュアル試乗車を見つけるのは容易ではありません。多くのディーラーでは、より一般的なCVTモデルを試乗車として用意しているケースが圧倒的に多いからです。
効率的に試乗車を探すためには、まずメーカーの公式サイトにある試乗車検索機能を活用するのが近道です。ここでは車種だけでなく、トランスミッションの種類やグレードを絞り込んで検索することが可能です。近隣の店舗になくても、少し範囲を広げれば見つかる場合があります。
もし近隣に試乗車がない場合は、レンタカーを利用するのも一つの手です。一部のレンタカー会社やカーシェアリングサービスでは、N-VANのマニュアル車を指名して借りられるプランを提供していることがあります。短時間の試乗よりも、実際に自分の生活圏内を走ったり、荷物を積んでみたりすることで、より具体的な所有イメージが湧くはずです。
N-VAN 6MTをより楽しい一台にする

- 高値傾向の中古事情
- 車中泊も可能なカスタム
- 走りを変えるチューニング
- 実は難しいN-VAN 6MTのターボ化
- 結論としてN-VAN 6MTは楽しい相棒だ
- N-VAN 6MT 楽しい!記事のポイントまとめ
高値傾向の中古事情
N-VANの6速マニュアル車は、中古車市場において非常に人気が高く、相場も高値で推移しています。特に「FUN」(旧+STYLE FUN)グレードのマニュアル車は、趣味性の高さから引き合いが強く、条件の良い個体は新車価格に近い価格で見かけるケースもあります。
【価格の目安(参考)】
- 新車価格(FUN・FF): 約160万円台〜
- 中古車相場: 支払総額で約100万円〜180万円程度(年式・走行距離による)
この傾向は、昨今の新車の納期遅れや、マニュアル車自体の希少価値が上がっていることが背景にあります。また、商用車登録であるため税金などの維持費が安く、セカンドカーとして購入する層が一定数いることも需要を支えています。
中古車選びの際は、前オーナーの使用用途を見極めることが大切です。配送業務などで酷使された車両は、走行距離の割にクラッチやサスペンションが消耗している可能性があります。一方で、個人オーナーが趣味で大切に乗っていた車両は状態が良い傾向にあります。相場は高めですが、リセールバリューも良いため、状態の良い個体に出会えれば長く付き合える資産となるはずです。

車中泊も可能なカスタム

N-VAN最大の特徴である「ダブルビッグ大開口」と低床フロアは、マニュアル車でももちろん健在です。助手席と後席をダイブダウンさせることで生まれる広大でフラットな空間は、大人が足を伸ばして寝られる車中泊スペースとして最適です。
カスタムの幅も非常に広く、簡易的なベッドキットを組むだけのライトな仕様から、本格的な棚や断熱材を施工して「動く秘密基地」を作り上げるスタイルまで自由自在です。マニュアル車のシフトノブはインパネに配置されているため、足元空間への干渉が少なく、ウォークスルーこそできませんが、居住空間へのアクセスは良好です。
さらに、外部電源の取り込み口を設置したり、ポータブル電源を活用して家電を使えるようにしたりと、電装系のカスタムを楽しむユーザーも増えています。自分で工夫して快適な空間を作り上げるDIYの楽しさも、N-VANオーナーならではの特権と言えます。
走りを変えるチューニング
N-VANの6速マニュアルは、そのままでも十分に楽しい車ですが、アフターパーツを用いたチューニングによって、そのポテンシャルをさらに引き出すことができます。例えば、吸排気系のパーツを交換することで、エンジンのレスポンスを向上させたり、よりスポーティなサウンドを楽しんだりすることが可能です。
足回りの強化も人気のメニューです。商用車特有の少し硬めの乗り心地をしなやかにするサスペンションキットや、ロールを抑えてコーナリング性能を高める強化スタビライザーなどが各社から販売されています。これらを装着することで、ワインディングロードでの走りがより安定し、運転の楽しさが増します。
また、シフトノブを重量のあるタイプに交換してシフトフィールを調整したり、ペダルカバーを装着して操作性を向上させたりといった、手軽なインテリアのチューニングも人気です。自分好みの操作感に仕上げていく過程も、車好きにはたまらない時間となります。
実は難しいN-VAN 6MTのターボ化

「N-VANのマニュアル車にターボがあれば完璧なのに」と考えるファンは少なくありません。しかし現状、メーカー純正のラインナップには、ターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたグレードは存在しません。ターボ車はすべてCVT設定となっています。
そのため、NA(自然吸気)のマニュアル車に後付けでターボキットを装着する「ターボ化」を検討する人もいますが、これは技術的にもコスト的にも非常にハードルが高いのが現実です。エンジンルームのスペースの問題や、ECU(コンピューター)の制御、冷却系の強化など、クリアすべき課題が山積みだからです。
無理にターボ化を目指すよりも、NAエンジンならではのアクセルレスポンスの良さや、高回転まで回してパワーを引き出す運転技術を磨くことに重きを置くのがおすすめです。ギヤ比もNAエンジンの特性に合わせて最適化されているため、非力さをカバーしながら走らせる独特の面白さがあります。

結論としてN-VAN 6MTは楽しい相棒だ
これまで見てきたように、N-VANの6速マニュアルモデルは、単なる移動手段や仕事道具の枠を超えた魅力を持っています。ドライバーの意のままに操れる操作性、積載能力の高さ、そしてカスタムの自由度は、所有する喜びを大きく膨らませてくれます。
最後に、この車がどのような人に適しているかを整理してみましょう。
【N-VAN 6MTが向いている人】
- 絶対的な速さよりも、車を「操る感覚」を楽しみたい人
- 維持費を抑えつつ、趣味の道具をたくさん積んで出かけたい人
- 自分好みに車内をカスタムしたり、DIYを楽しんだりしたい人
【N-VAN 6MTが向いていない人】
- 高速道路での追い越し加速や、登坂路での余裕あるパワーを最重視する人
- 渋滞の多い市街地での移動がメインで、クラッチ操作を負担に感じる人
- 後席に人を乗せる機会が多く、同乗者の快適性を重視する人
もちろん、絶対的なパワー不足や、マニュアル操作の手間といった側面はあります。しかし、それらを「操る楽しさ」としてポジティブに捉えられる人にとっては、これ以上ない相棒になるはずです。趣味にも仕事にも全力で使え、走るたびに笑顔になれる。そんなカーライフを実現したいなら、N-VANの6速マニュアル車は間違いなく検討に値する選択肢です。
N-VAN 6MT 楽しい!記事のポイントまとめ
- N-VANマニュアル車は商用超えの運転感
- S660譲りのシフトフィールが非常に好評
- 雪道も安心な4WDとMTの相性は抜群によい
- カタログ燃費19km超で実燃費も伸びやすい
- 2024年4月改良でLグレードのMT設定廃止
- 現在はGとFUNグレードのみでMT選択可能
- 試乗車は希少なためWeb検索やレンタカー推奨
- 中古市場ではFUNのMT車が高値安定の傾向
- 状態の良い個体はリセールバリューも期待大
- 助手席ダイブダウンで車中泊空間も広々快適
- ベッドキットや電装DIYで秘密基地化が可能
- 吸排気や足回り交換で走りの質がさらに向上
- 純正ターボMTはなく後付けも技術的に困難
- NAエンジンを回して走る操作感が最大の魅力
- 仕事も趣味もこなせる最高の相棒になり得る









