カローラ スポーツ 1200 ターボで検索される方は、その魅力的なスペックに注目されているかもしれません。しかし、新車での販売が終了した今、中古車での購入を検討するにあたり、CVTのターボは遅いという評価や、実際の燃費が気になっている方も多いでしょう。また、MTモデルの楽しさやパドル シフトの操作性、トルク感や加速性能についても知りたいところです。中には、チューニングやターボ キットを装着し、夢の200 馬力仕様にできるのか、といった点や、総合的な評価を探している方もいらっしゃると思います。
この記事では、カローラ スポーツ 1200 ターボに関するこれらの疑問に、データベース情報に基づきながら詳しくお答えしていきます。
記事のポイント
- カローラ スポーツ 1200 ターボの現状(廃止の経緯)
- 「遅い」という評価の真偽と実際の加速性能
- MT車とCVT車の実燃費や走行フィーリングの違い
- 中古車相場とチューニングの可能性
カローラ スポーツ 1200ccターボの現状と基本性能

- 1.2L ターボモデルは廃止?
- カローラ スポーツのターボは遅いという噂を検証
- 加速とトルクの性能値
- 200馬力仕様の存在
- パドル シフト搭載グレード
1.2L ターボモデルは廃止?
結論からお伝えすると、カローラ スポーツの1.2Lターボエンジン搭載モデル(8NR-FTS型)は、2022年10月の一部改良および2024年4月のマイナーチェンジを経て、新車ラインナップから廃止されました。
これに伴い、1.2Lターボ車専用であった6速マニュアルトランスミッション(6MT)や、ターボモデルに設定されていた4WD仕様も廃止となっています。
2018年のデビュー当時は、ダウンサイジングターボとMTの組み合わせが「操る楽しさ」を提供すると注目されましたが、市場のニーズがハイブリッドモデルへ移行したことや、環境規制への対応などから、ラインナップが整理された形です。
したがって、1.2Lターボモデル(MT仕様を含む)は、現在(2025年10月時点)、中古車市場でのみ入手可能な仕様となっています。
参考:KINTO|2022年10月 トヨタ カローラシリーズの一部改良の内容とは?
カローラ スポーツのターボは遅いという噂を検証

「カローラ スポーツ ターボ 遅い」という評価は、特にCVTモデルにおいて見受けられることがあります。1.2Lターボ(8NR-FTS型)の最高出力は116ps、最大トルクは185Nm(18.9kgm)です。
このスペックは、1.5L~2.0LのNA(自然吸気)エンジンと同等レベルのトルクを、1,500rpmという低回転から発生させるのが特徴です。
CVTモデルの印象
CVTモデルでは、燃費効率を重視したセッティングのためか、アクセルを踏み込んだ際の加速感が穏やかに感じられることがあります。特に「スポーツ」という名前から期待されるほどの鋭い加速ではない、と感じる方もいるようです。
MTモデルの印象
一方で、6MTモデルに関しては、評価が異なります。スポーツモードを選択し、iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)のブリッピング(回転合わせ)機能を使うと、ターボのトルクを活かしたキビキビとした走りや、運転の楽しさを感じられるという声が多くあります。
「遅い」と感じるかどうかは、トランスミッションの違いや、ドライバーがどのような走行フィーリングを求めるかによって大きく左右されると考えられます。
参考:MOTA|トヨタ カローラスポーツ 実燃費レポート|1.2リッターターボ 6速MTの実力を試す
加速とトルクの性能値
カローラ スポーツ 1.2Lターボの性能は、そのトルク特性にあります。最大トルク185Nmを1,500rpmから4,000rpmという広い範囲で発生させるため、日常使いでの発進や合流などでは十分な力を発揮します。
公式な0-100km/h加速のタイムは公表されていませんが、6MTモデルの実測レビューでは約10秒台というデータがあります。これは、同クラスのハッチバックとして標準的な数値です。
参考として、カローラ スポーツに搭載されていたエンジンと廃止された1.2Lターボのスペックを比較します。
| パワートレイン | エンジン型式 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク |
|---|---|---|---|---|
| 1.2L ターボ (廃止) | 8NR-FTS | 1196cc | 116ps / 5200-5600rpm | 185Nm / 1500-4000rpm |
| 2.0L NA (廃止) | M20A-FKS | 1986cc | 170ps / 6600rpm | 202Nm / 4900rpm |
| 1.8L HV (現行) | 2ZR-FXE | 1797cc | 98ps (エンジン) + 95ps (モーター) | 142Nm (エンジン) + 185Nm (モーター) |
このように、2.0L NAエンジンは、1.2Lターボよりも排気量が大きい分、出力・トルクともに勝っています。1.2Lターボの魅力は、小排気量ながら2.0L NAに近いトルクを低回転から発生させる点にあったと言えます。

200馬力仕様の存在

カローラ スポーツの日本国内における市販モデル(純正状態)で、200馬力を超えるグレードは存在しません(2025年10月時点)。
前述の通り、ガソリンモデルで最も高出力だったのは2.0L NA(M20A-FKS)エンジンの170psです。廃止された1.2Lターボは116psでした。
200馬力を超える性能を持つのは、カローラシリーズでは「GRカローラ」となりますが、これはカローラ スポーツとは全く異なる高出力モデル(304ps)です。
ウェブ上などで「200馬力」という情報が見られる場合、それは社外品のECU書き換えやターボキットによるチューニングを施した車両か、海外仕様のデータを混同している可能性があります。
パドル シフト搭載グレード
カローラ スポーツ 1.2Lターボモデルにおいて、パドルシフトはCVT車の一部グレードに設定されていました。
ステアリングホイールの裏側に設置されたレバーを操作することで、マニュアルモード時に擬似的なシフトアップ・ダウンが可能です。これにより、CVT車でもスポーティーな運転感覚を一部楽しむことができました。
ただし、このパドルシフトは1.2Lターボモデル専用ではなく、2.0Lガソリン(NA)のCVTモデルにも引き続き設定されていました。
当然ながら、6速MTモデルにはパドルシフトは搭載されていません。
カローラ スポーツ 1200ccターボの維持と評価

- 1200ccターボ 燃費の実測
- ターボ チューニング方法
- ターボ キットの種類
- カローラ スポーツ ターボ 評価の総括
- 乗ってる人の口コミ・感想レビュー
- 中古車相場の目安
- 中古車購入時の注意点
- カローラ スポーツ 1200ccターボの総評
1200ccターボ 燃費の実測
1.2Lターボモデルの燃費は、トランスミッションや走行状況によって異なります。
カタログ燃費 (WLTCモード)
- CVT車: 18.3km/L
- 6MT車: 15.8km/L
意外にも、カタログ燃費ではCVTの方がMTよりも数値が良くなっています。
実燃費の目安
実燃費に関する複数のレポートや口コミを総合すると、市街地走行がメインの場合、おおむね11km/L~14km/Lの範囲に収まることが多いようです。
ある実燃費レポート(6MTモデル)では、以下のような詳細なデータが示されています。
- 市街地: 11.6km/L
- 郊外路: 15.2km/L
- 高速道路: 19.2km/L
- 総合実燃費: 14.9km/L
この結果は、MT車でありながらWLTCモードのカタログ燃費(15.8km/L)に非常に近い、優秀な数値です。高速道路では19km/Lを超える燃費を記録しており、ダウンサイジングターボの恩恵が表れています。
アイドリングストップ機能の有無(MT車は非搭載)や、エアコンの使用状況によっても燃費は変動しますが、ターボ車であることを考慮すれば、燃費性能は良好なレベルにあると考えられます。
ターボ チューニング方法

1.2Lターボ(8NR-FTS型)エンジンは、チューニングのベースとしても一定の需要がありました。ただし、新車販売が終了しているため、パーツの入手性は確認が必要です。
主なチューニング方法としては以下のようなものがあります。
1. ECU書き換え(ブーストアップ)
車載コンピュータ(ECU)のデータを書き換えて、ターボの過給圧(ブースト圧)を高めたり、燃料噴射マップを最適化したりする手法です。比較的低コストでパワーアップを体感しやすい方法ですが、エンジンの耐久性や保証に影響が出る可能性があります。
2. 吸排気系の交換
エアクリーナーを抵抗の少ないものに交換したり、マフラーを抜けの良い社外品に交換したりすることで、エンジンの吸排気効率を高めます。パワーアップの効果はECU書き換えほど大きくありませんが、レスポンスの向上やサウンドの変化を楽しむことができます。
注意点
これらのチューニングは、メーカーの保証対象外となる行為です。また、マフラー交換などは車検の保安基準(JQR認証など)に適合した製品を選ぶ必要があります。チューニングを検討する場合は、専門知識のあるショップとよく相談することが大切です。
ターボ キットの種類
カローラ スポーツ 1.2Lターボモデルに対して、メーカー純正のターボキット(後付けのパワーアップキット)は設定されていません。
社外品として、タービンそのものを交換する「タービン交換キット」や、より大きな過給圧に対応するためのパーツが、一部のチューニングショップやサプライヤーから流通していた可能性があります。
しかし、これらはECUのセッティングや燃料系の強化など、高度な専門知識と技術を要する本格的なチューニングであり、公道での使用や車検適合、車両の耐久性に大きな影響を与えます。
純正のターボキットは存在しないため、中古車市場で「ターボキット装着車」として販売されている車両は、前オーナーが社外品でチューニングを施した車両である可能性が高く、購入には十分な注意が必要です。
カローラ スポーツ ターボ 評価の総括

カローラ スポーツ 1.2Lターボモデルは、総合的に「走りの楽しさと実用性のバランスが取れたモデル」と評価できます。
走行性能や静粛性については、TNGAプラットフォームによるボディ剛性の高さや、独立懸架式リアサスペンション(ダブルウィッシュボーン)の恩恵もあり、おおむね高い評価を得ています。
一方で、パワー感やトルク感については、「スポーツ」という名前への期待値によって評価が分かれます。絶対的な速さや刺激を求めると物足りなさを感じるかもしれませんが、日常域での扱いやすさや、ダウンサイジングターボとしての効率の良さは美点です。
特に6MTモデルは、iMTによる運転支援もあり、MTビギナーやリターン組にも優しい一方で、ベテランが「操る楽しさ」を味わうこともできる、稀有な存在でした。
2.0L NAエンジンも後に廃止されましたが、ガソリン車の選択肢としては、1.2Lターボは「小排気量ターボのフィーリング」を好む特定の層に向けた、ややマニアックな選択肢であったと言えるかもしれません。
乗ってる人の口コミ・感想レビュー
実際に1.2Lターボモデルを所有している、または試乗した人の口コミや感想レビューを見ると、評価が分かれる点がより明確になります。
ポジティブな意見
- 「スポーツモード(MT)にすると別物のようにキビキビ走る」
- 「1.2Lとは思えないトルク感。1.8L~2.0L NA車のようだ」
- 「低回転からトルクがあるので街乗りが楽」
- 「高速巡航時の静粛性や燃費が良い」
- 「MTのシフトフィールが良く、iMTも便利」
ネガティブな意見
- 「CVTだと加速が穏やかで、スポーティーさに欠ける」
- 「低速(1000回転以下)でのトルクが薄く、ギクシャクすることがある」
- 「ノーマルモードではアクセルの反応が鈍い」
- 「パワー不足。特に高速での追い越し加速が物足りない」
- 「ハイブリッドモデルと比べると燃費が悪い」
これらの口コミからは、CVTとMTでの印象の違い、そして「スポーツモード」の使用有無が、この車の評価を大きく左右していることがうかがえます。中古車で検討する際は、可能であれば両方のトランスミッションを試乗し、自身のフィーリングに合うかを確認するのが最善でしょう。
中古車相場の目安

1.2Lターボモデルの中古車市場(2025年10月時点)は、2018年式から2022年式までの個体が中心となります。
価格帯は、年式、走行距離、グレード(G”X”、G、G”Z”)、トランスミッション(CVT/MT)によって幅がありますが、おおむね以下の範囲で推移しています。
- 価格帯(総額): 約140万円 ~ 220万円
- ボリュームゾーン: 走行距離3万~7万km程度の個体
特に、6速MTモデルは流通台数がCVTモデルに比べて少ないため、コンディションの良い個体は高値で安定する傾向があります。スポーティーなG”Z”グレードが人気ですが、シンプルなGグレードもコストパフォーマンスの面で注目されます。
参考:グーネット
中古車購入時の注意点
1.2Lターボモデルを中古車で選ぶ際は、通常のチェック項目に加え、特に以下の点に注意すると良いでしょう。
1. ターボ車特有のチェック
ダウンサイジングターボ車である8NR-FTSエンジンは、オイル管理が重要です。
- 整備手帳の確認: オイル交換が定期的に行われていたか、交換履歴を確認します。
- エンジン始動・試乗: エンジン始動時やアイドリング中に異音がないか、加速時にタービンから「ヒューン」といった過度な異音がしないか、マフラーから白煙が出ていないかを確認します。
2. 6速MTモデルのチェック
MTモデルを選ぶ場合は、トランスミッションとクラッチの状態が鍵となります。
- クラッチの状態: 試乗が可能であれば、クラッチペダルを踏み込み、異音や違和感がないかを確認します。半クラッチの位置が極端に手前や奥になっていないか、走行中に滑っている兆候(エンジンの回転だけが上がり、加速がついてこない)がないかをチェックします。
- iMTの動作確認: スポーツモードを選択し、シフトダウン時に回転数を自動で合わせるiMT機能が正常に作動するかを確認します。
これらのポイントは、専門的な知識が必要な場合もあるため、信頼できる販売店で確認するか、中古車に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。
カローラ スポーツ 1200ccターボの総評
カローラ スポーツ 1200 ターボの購入を中古車で検討している方へ、この記事で解説したポイントをまとめます。
- 1.2Lターボモデルは2022年改良で新車販売が終了しました
- 6速MTや4WD仕様も同時に廃止され、現在は中古車のみで入手可能です
- 「遅い」という評価は主にCVTモデルの穏やかな加速感に起因します
- MTモデル、特にスポーツモードではキビキビとした走りが可能です
- 最大トルクは185Nmで、1500rpmという低回転から発生します
- 日常域での加速性能は1.8L~2.0L NAエンジン並みです
- 0-100km/h加速はMT車で実測約10秒台と標準的です
- 純正で200馬力を超えるグレードはGRカローラ以外に存在しません
- 1.2LターボのCVT車にはパドルシフトが設定されていました
- 実燃費はMT車で総合14.9km/L前後という良好なデータがあります
- 市街地実燃費は11km/L~14km/L程度が目安です
- 中古車相場は約140万円~220万円が中心です
- MT車は流通量が少なく、価格が安定している傾向があります
- 中古車選びではターボの状態とオイル管理の履歴が重要です
- MT車の場合はクラッチの状態とiMTの動作確認も大切です
- チューニングはECU書き換えや吸排気が主流ですが保証外となります
- メーカー純正のターボキットは設定されていません
- 走行性能や静粛性はTNGAプラットフォームにより高評価です
- 中古車を選ぶ際はMTとCVTのフィーリングの違いを試乗で確認してください









