ekワゴンのエアコンが効かないと検索して辿り着いた方に向けて、原因の切り分けから修理の進め方までを整理します。
夏場に風が弱いと感じる、B11Wのエアコンが効かない場面が増えた、ヒューズやリレーの位置が分からない、スイッチの故障かもしれない、ガス漏れかもと不安、といった悩みに寄り添い、コンプレッサー交換の費用感やリコール情報の確認ポイントまで体系的に解説します。
症状別に何から点検すべきかが分かり、無駄な出費を避けるための判断材料を提供します。
記事のポイント
- 症状別の原因と初期診断の進め方
- 年式別の注意点と部品位置の確認方法
- 修理費用の目安とコスパの良い選択肢
- リコール確認と安全に直すための手順
ekワゴンでエアコン効かない原因
- エアコンの風が弱い原因
- エアコン ヒューズの点検
- エアコンリレー 位置の確認法
- エアコンスイッチ故障の兆候
- B11W(3代目)のエアコンが効かない場合
エアコンの風が弱い原因
風が弱いと感じるときは、まず吸気側の詰まりを疑います。エアコンフィルターの未装着や目詰まり、エバポレーターに付着した埃で風が抜けにくくなり、送風が最大でも弱く感じます。特に一部の年式ではフィルターがオプションだったため、長年の使用でエバポレーター自体が埃でコートされ、冷えが鈍るケースがあります。清掃により吹き出し温度が大きく改善する事例は珍しくありません。
ブロアモーターやレジスターの不良でも風量は低下しますが、回転音の変化や段階的な風量切替の有無である程度推測できます。まずはフィルター交換やユニット清掃から着手し、それでも改善しない場合に電装部位の点検へ進めるのが効率的です。結果として、風路の抵抗を下げるだけで体感が劇的に良くなることが多いといえます。
エアコン ヒューズの点検
エアコンが全く作動しない、A/Cランプが点かないときは、ヒューズ切れの可能性があります。エンジンルーム側と室内側のヒューズボックスを開け、A/CやBLOWERの表記を確認し、規定アンペアの新品に差し替えて様子を見ます。繰り返し切れる場合はショートなどの電装トラブルを疑うべきで、安易な差し替えを続けるのではなく原因調査へ切り替えます。
代表的なヒューズ例(参考)
型式例 | 位置の目安 | 名称例 | 容量例 |
---|---|---|---|
H81W | エンジンルーム側ボックス | コンプレッサー系統 | 10A前後 |
B11W | 室内/エンジンルーム併用 | A/C/BLOWER系統 | 車載表示に従う |
年式やグレードで配置は異なります。ブレードヒューズは目視で溶断を確認できますが、判別が難しいときはテスターを併用すると確実です。
エアコンリレー 位置の確認法
コンプレッサーが入らないときは、リレー不良やコンプレッサー側の故障が考えられます。リレーはエンジンルームのヒューズボックス内にあり、蓋裏や取扱説明書に配列図が載っています。年式や型式で位置が異なるため、車台番号を控えてディーラーで確認するのも確実です。
同型リレーと入れ替えて動作が戻ればリレー不良と判断できますが、改善しない場合はコンプレッサー本体やマグネットクラッチの不具合が疑われます。クラッチ作動音がない、異音がする、ゲージで圧力が上がらないなどの症状があれば、リレーよりもコンプレッサー側の可能性が高くなります。
エアコンスイッチ故障の兆候
操作パネルの物理スイッチや基板の不調により、風量切替やA/Cオンが反応しないケースがあります。つまみが空回りする、節度がなく回る、押してもランプが点かないなどの挙動は、ユニット側の破損・接点不良の可能性が高い状態です。パネルの交換で復旧する事例が多く、年式によっては比較的少額で解決することもあります。
また、ブロアは回るのに一定時間で送風に戻る場合、リレーや制御系、クラッチ側の熱による保護作動なども視野に入ります。症状の出方と発生タイミングを記録しておくと、点検が効率化します。原因がパネルにある場合は交換が最短ルートで、その他の電装系に原因があるときは段階的な切り分けが有効です。
B11W(3代目)のエアコンが効かない場合
B11W世代では、ガス量の不足や複数箇所の同時劣化が重なり、真夏に冷えが著しく低下する報告があります。Oリングの経年劣化やコンデンサーの損傷によるガス漏れ、エキスパンションバルブの不調など、サイクル内の各要素を総合的に診る姿勢が欠かせません。蛍光剤とブラックライトで漏れ箇所を特定し、必要部品を確実に交換することで再発を抑えられます。
先述の通り、フィルター未装着だった個体はエバポレーターの汚れが蓄積している場合があり、清掃で冷却効率が戻ることがあります。以上の点を踏まえると、B11Wでは単発の補充よりも、原因箇所の修理と風路のリフレッシュを同時に進める判断が実用的です。
ECUや制御プログラムのチェック
一部年式や仕様では、冷却性能や作動安定性を改善する目的でECUのプログラム更新が提供された事例が報告されています。販売会社で車台番号を提示して、サービスキャンペーンやアップデートの適用可否を確認してください。
特に作動後しばらくして送風に戻るなどの挙動がある場合、制御ロジックの更新で改善する可能性があります。更新履歴の有無や現行バージョンの確認も合わせて依頼すると安心です
ekワゴンでエアコンが効かない時の対処法
- エアコン ガス漏れ対策
- ekワゴン コンプレッサー交換 費用の目安
- エアコン関連の過去リコール(初代eKワゴンを含む)
- 乗ってる人の口コミ・感想レビューの傾向
- ekワゴン エアコン効かないのまとめ
エアコン ガス漏れ対策
ガス漏れが疑われる場合は、残量確認と漏れ診断を同時に行います。蛍光剤での可視化や真空引き後の保持テストで漏れ箇所を特定し、コンデンサーや低圧ホース、Oリングなど劣化部位を交換します。充填のみは再発リスクが高く、結果としてコスト増につながりやすいため、原因修理とセットで進めるのが現実的です。
社外新品や信頼できるリビルト部品の活用は、費用と耐久のバランスを取りやすくします。作業では高低圧のガス圧、吹き出し口温度、戻り管温度も併せて確認し、個体差を踏まえた最適量へ調整します。
エアコンガス過充填のリスクと症状
冷え不良はガス不足だけでなく、過充填でも発生します。過充填では高圧側が過度に上昇し、保護作動でコンプレッサーが頻繁に停止と再始動を繰り返すことがあります。冷えが弱いのに配管が熱く高圧計が高止まりする、停車中ほど冷えが悪化する、といった挙動は過充填の手掛かりになります。
対処は回収と真空引きのうえ、規定量を秤量で充填し直すことが基本です。最近の車両は冷媒規格が複数あるため、種類の取り違えや混合も避ける必要があります。自己充填は量の過多になりやすいため、秤量管理が可能な工場で実施してください
過充填の見分け方と基本対処(目安)
症状の手掛かり | ゲージ傾向(一般論) | 初期対応の考え方 |
---|---|---|
冷えが弱いのに高圧側が高い | 高圧が高止まりしやすい | 回収→真空引き→規定量を秤量充填する |
作動直後は冷えるがすぐぬるい | 高圧上昇で保護停止を繰り返す | 冷媒量の適正化とコンデンサー冷却の確認 |
霜付きや異音が出る | 圧力が不安定・過大 | 作動を止めて系統点検後に再充填手順を厳守 |
必要に応じて診断機で作動状況を記録し、充填量調整と合わせて制御系の学習リセットや故障コードの確認まで行うと、再発の抑制につながります
ekワゴン コンプレッサー交換 費用の目安
コンプレッサーの異音やクラッチ不良で冷えない場合、交換が現実的な解決策となります。選択肢は中古・新品・リビルトがあり、予算と安心感のバランスで決めます。リレーなど関連部品の同時点検・交換を合わせると、戻り不良のリスクを抑えられます。
交換パターンと費用感(目安)
パターン | 部品例 | 想定総額の目安 |
---|---|---|
中古品交換 | 走行少なめ中古+基本工賃 | 約49,000円前後 |
新品持込交換 | 新品コンプレッサー+工賃 | 約63,000円前後 |
リビルト品交換 | リビルト+関連部品含む | 約75,000円前後 |
一般的相場帯 | 年式・状態により変動 | 5万〜10万円程度 |
費用は車両状態や同時交換点数で変わります。ベルトやOリング、配管洗浄を含めるかで総額が上下するため、見積時は内訳の明示を求めると判断しやすくなります。
エアコン関連の過去リコール(初代eKワゴンを含む)
三菱車の一部では、エンジンルーム内のエアコンコンデンサー前方にある遮風用インシュレーターの材質不良により、破断して排気管に触れ、焼損や火災に至るおそれがあるとしてリコールが届け出られています。対象は1998年9月〜2003年5月に生産された一部車両で、この期間に含まれる初代eKワゴン(H81W、2001年発売)の一部個体も該当します。届出日は2007年7月19日で、対策は当該インシュレーターの取り外し(無償)です。
ここで扱われた不具合は火災リスクに関するものであり、冷房が効かないといった性能低下はリコールの対象外です。冷えない症状は通常の点検・修理での対応になります。お持ちの車両がリコール対象かどうかは、車台番号で三菱公式サイトや国土交通省のリコール検索から確認できます。
乗ってる人の口コミ・感想レビューの傾向
ユーザーの声では、維持費や使い勝手の評価が高い一方、猛暑下での冷房能力に不満が出ることがあります。年式が進んだ個体では、ガス量の低下や風路の汚れ、電装系の経年変化が重なり、体感の冷えが落ちる傾向が語られます。ガス補充のみを年中行うよりも、原因箇所の修理と風路メンテナンスを合わせる取り組みが満足度を押し上げます。
短時間で復旧した例として、リレーやスイッチユニットの交換で改善したケースも挙がります。以上を踏まえると、症状の特定と適切な部品選定、そして信頼できる工場での施工が、費用対効果を高める鍵になります。
ekワゴン エアコン効かないのまとめ
記事のポイントについてまとめます
- まず風が弱い症状はフィルターと風路の清掃を優先する
- ヒューズ切れは規定容量に交換し再発時は原因調査へ進める
- リレー不良は位置を特定し同型入れ替えで切り分ける
- スイッチの故障は操作不良の挙動を確認し交換で解決を図る
- b11wの冷え不足は複合要因を想定し総合診断が有効
- ガス漏れ対策は可視化診断と部品交換をセットで実施する
- コンプレッサー交換は中古新品リビルトの特性で選ぶ
- 費用は同時交換点数と工賃で変動し内訳確認が大切
- リコールは対象範囲を確認し該当なら無償点検を受ける
- 充填のみの対処は再発しやすく原因修理が再発防止に直結
- 吹き出し温度とガス圧管理で最適量に調整し冷えを安定化
- 風量段階の変化や異音の有無を記録して診断に役立てる
- 社外新品やリビルト活用でコストと耐久の両立を図る
- 信頼できる工場での施工と保証条件の確認が満足度を左右する
- ekワゴン エアコン 効かないは段階的診断でムダな出費を防ぐ