ホンダ フィットといえばコンパクトカーのイメージが強いですが、3ナンバー仕様のグレードがあることに驚く方も少なくないかもしれません。4代目フィットの「クロスター」は、人気のクロスオーバータイプとして設計され、3ナンバーに分類されています。一見すると他のフィットと大きな違いはないように見えますが、5ナンバーのフィットとはどのような違いがあるのでしょうか。
また、3ナンバーになることで税金や維持費に影響があるのか、フィット クロスター 3ナンバーの税金は高いのかといった点も気になるところです。
本記事では、ホンダ フィット クロスターの3ナンバー化の理由や、5ナンバーとの違い、税金の影響、さらには購入前に知っておきたいデメリットについて詳しく解説します。フィットクロスターの購入を検討している方が後悔しない選択ができるよう、役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
- ホンダフィットクロスターが3ナンバーに分類される理由を理解できる
- 3ナンバーと5ナンバーの違いや、それが車両に与える影響を把握できる
- クロスターの税金や維持費が他のグレードとどう異なるかを知ることができる
- クロスターの欠点や購入後に後悔する可能性について理解できる
3ナンバーのホンダフィットはクロスター
ホンダフィット公式
ホンダフィットで3ナンバーの車種は、4代目フィット(GR系)の中でも「クロスター」というグレードだけが該当する車種です。一般的にフィットはコンパクトカーとして認識されていますが、クロスターはSUVテイストを持たせた特別仕様のモデルです。
- フィットクロスターとは
- 3ナンバー 5ナンバーの違い
- クロスターはなぜ3ナンバーか
- クロスオーバーは人気
- デメリット-欠点と買って後悔する人
フィットクロスターとは
フィットクロスターは、ホンダ フィットの5つのグレードのうちの1つで、SUVテイストを取り入れた特別仕様のモデルです。他のグレードとは異なり、よりアクティブなデザインと走行性能を意識した設計が特徴です。
フィット クロスターの最大のポイントは、SUV風のエクステリアデザインにあります。専用のフロントグリルやバンパー、ホイールアーチプロテクター(フェンダー部分の樹脂パーツ)が装備されており、見た目にもタフな印象を与えます。また、最低地上高が他のフィットよりも高めに設定されているため、段差の多い道や未舗装路でもスムーズに走行できるのが魅力です。
また、クロスターのインテリアは、アクティブなライフスタイルに合わせた機能性の高さが魅力です。撥水加工が施された専用シートを採用しており、アウトドアや雨の日でも快適に利用できます。さらに、他のフィットと同様に「Honda SENSING」や「Honda CONNECT」といった先進安全装備が標準搭載されており、安全性にも優れています。
3ナンバー 5ナンバーの違い
日本の自動車は、車両のサイズや排気量によって「3ナンバー」と「5ナンバー」に分類されます。この分類は、車の維持費や走行性能、さらには駐車場の選択肢にも影響を与えるため、車選びの際には重要なポイントとなります。
まず、5ナンバーは「小型乗用車」に分類され、以下の4つの条件すべてを満たす必要があります。
- 全長:4,700mm以下
- 全幅:1,700mm以下
- 全高:2,000mm以下
- 排気量:2,000cc以下
これに対し、3ナンバーは「普通乗用車」となり、上記の条件のいずれか1つでも超えた場合に適用されます。例えば、全幅が1,701mm以上の車や排気量が2,001cc以上の車は、自動的に3ナンバーに分類されます。
クロスターはなぜ3ナンバーか
ホンダ フィット クロスターが3ナンバーに分類される最大の理由は、車幅が1,700mmを超えているためです。
この車幅の違いは、クロスターがSUVテイストを取り入れたデザインを採用していることに由来します。他のフィットのグレード(BASIC、HOME、NESS、LUXE)は全幅1,695mmで5ナンバーの範囲内に収まっていますが、クロスターはホイールアーチプロテクター(フェンダー部分の樹脂パーツ)や専用バンパーが追加されており、その分横幅が拡張されました。これは見た目だけの違いではなく、悪路やアウトドアシーンでも安心して走れるようにするための設計です。
クロスオーバーは人気
近年、自動車市場ではクロスオーバーモデルの人気が急上昇しています。これは、SUVの持つ力強いデザインと、乗用車の快適性や運転のしやすさを兼ね備えた車種が求められているためです。特に、日本の道路事情に適したコンパクトなクロスオーバーは、都市部の狭い道や駐車場での取り回しの良さを維持しつつ、アウトドアや長距離ドライブにも対応できる万能な車種として支持を集めています。
SUVはもともと悪路走行に適したオフロード性能を持つ車種ですが、クロスオーバーはそのSUVのデザインを活かしながらも、走行性能は一般道向けに最適化されています。そのため、SUV特有の大きな車体や燃費の悪さを避けつつ、ドライバーにSUVらしいスタイルを提供するというバランスの取れたモデルになっています。
日本市場でも、このクロスオーバーの波は年々強まっており、トヨタやホンダ、日産などの大手メーカーは、相次いでクロスオーバータイプの車をラインナップに加えています。特に、都市型SUVという新たなカテゴリが確立され、小型のクロスオーバーは若年層やファミリー層からの支持を受け、販売台数を大きく伸ばしています。
4代目フィットシリーズのクロスターは、発売からわずか10日間で23,000台以上の受注を記録するなど、フィットシリーズの中でも非常に高い人気を誇るモデルとなりました。
デメリット-欠点と買って後悔する人
1. 価格が高めでコスパに疑問を感じる
フィットクロスターは、フィットシリーズの中でも特別なデザインと装備を備えていますが、その分、価格も高めに設定されています。特に「SUV風」のデザインや最低地上高の高さに惹かれて購入したものの、実際にはフルSUVほどの走破性はなく、「価格の割に性能が特別高いわけではない」と感じる人もいます。また、同じ価格帯の車と比較すると、他社のSUVやワンサイズ上のモデルも視野に入ってくるため、コストパフォーマンスを重視する人には向かないかもしれません。
2. 高速道路での加速性能に不満
フィットクロスターのエンジンは、通常のフィットと共通する1.3Lガソリンエンジンまたは1.5Lハイブリッドですが、車両重量が重いため、高速道路での加速に物足りなさを感じる人がいます。特に合流や追い越しの際には、エンジンの回転数が上がりやすく、音が気になるという声もあります。市街地での運転には十分なパワーを備えていますが、長距離ドライブを頻繁にする人や、力強い加速を求める人にとっては、やや不満が残るかもしれません。
3. ロードノイズが気になる
一部のオーナーからは、走行中のロードノイズが気になるという意見が出ています。特に高速道路では、タイヤからの音や風切り音が車内に響きやすく、静粛性が高い車に乗り慣れている人にとっては違和感を覚えることもあります。ホンダ車は比較的ロードノイズが入りやすい傾向がありますが、フィットクロスターでも同様の指摘が見られます。この点を重視する場合は、試乗時に実際の走行音を確認することが大切です。
ホンダフィット3ナンバーの税金や維持費は高い?
- 3ナンバークロスターの税金と保険料
- 燃費とランニングコスト
- 口コミやレビュー
- フィットクロスターの購入をおすすめする人・しない人
- ホンダフィット3ナンバーについてのまとめ
3ナンバークロスターの税金と保険料
自動車税
日本における自動車の税金は主に「自動車税」「自動車重量税」「消費税」などに分類されます。3ナンバー車と5ナンバー車の違いは、これらの税金の一部に影響を与えるものの、フィット クロスターのような小型車ではその影響は限定的です。
まず、自動車税は排気量によって課税されます。フィット クロスターの排気量は1.3Lまたは1.5Lのため、5ナンバーのフィットと同じ区分(1.0L超~1.5L以下)となり、年間の自動車税は約30,500円です。これは他のフィットのグレードと変わらず、3ナンバーだからといって増額されることはありません。
重量税
次に、自動車重量税ですが、これは車両重量ごとに決まります。フィット クロスターの重量は約1,180~1,280kgで、5ナンバーのフィットとほぼ同じです。そのため、車検時に支払う重量税も同額で、特別に高くなることはありません。
燃費基準 | 車種 | 新車登録 | 継続車検 |
---|---|---|---|
2030年度燃費基準達成車 | e:HEV CROSSTAR(FF) | 免税 | 15,000円 |
2030年度燃費基準90%達成車 | e:HEV CROSSTAR(4WD) | 免税 | 15,000円 |
2030年度燃費基準70%達成車 | CROSSTAR(FF) | 16,800円 | 15,000円 |
自賠責保険
自賠責保険料についても、ナンバーの種類に関係なく全国一律の料金となります。任意保険についても、基本的には車種と運転者の年齢、事故歴などに基づいて決まるため、3ナンバーだからといって特別に高額になることはありません。
このように、フィット クロスターの3ナンバー区分による税金の負担はほとんどなく、維持費も5ナンバーのフィットと大差ないと言えるでしょう。
37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|
24,190円 | 23,960円 | 18,160円 | 17,650円 | 12,010円 | 11,500円 |
フィットクロスターの燃費とランニングコスト
フィットクロスターの燃費性能とランニングコストは、ガソリン車とハイブリッド車(e:HEV)で異なります。どちらを選ぶべきかは、使用環境や年間走行距離、ガソリン代の変動を考慮することが重要です。ここでは、それぞれの燃費や維持費を比較し、どのような点に注意すべきかを解説します。
フィットクロスターのカタログ燃費と実燃費
フィットクロスターの燃費は、WLTCモード(国際的な燃費基準)で測定された数値を参考にすることができます。カタログ燃費は以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | WLTC燃費(km/L) | 実燃費の目安(km/L) |
---|---|---|---|
ガソリン車(FF) | 2WD | 17.6 | 13~15 |
ガソリン車(4WD) | 4WD | 16.1 | 11~13 |
e:HEV(FF) | 2WD | 27.1 | 20~23 |
e:HEV(4WD) | 4WD | 24.2 | 17~19 |
カタログ燃費はあくまで理想的な条件で測定された数値であり、実際の走行環境では7~8割程度の燃費になると言われています。特に、市街地走行では信号待ちや渋滞の影響で燃費が落ちやすくなります。一方、高速道路ではカタログ値に近い燃費が出ることもあります。
フィットクロスターのガソリン代比較
燃費が良いほどガソリン代を抑えられるため、ランニングコストにも大きな影響を与えます。レギュラーガソリンの価格を174円/Lと仮定し、1,000km走行する場合のガソリン代を試算すると以下のようになります。
グレード | 実燃費の目安(km/L) | 1,000km走行時のガソリン代 |
---|---|---|
ガソリン車(FF) | 13~15 | 約11,600~13,400円 |
ガソリン車(4WD) | 11~13 | 約13,400~15,800円 |
e:HEV(FF) | 20~23 | 約7,600~8,700円 |
e:HEV(4WD) | 17~19 | 約9,200~10,200円 |
ハイブリッド車のほうが燃費が良いため、年間1万km以上走行する場合は、ガソリン代の差が大きくなります。例えば、年間1万km走行すると、ガソリン車(FF)とe:HEV(FF)では約4万円の燃料費の差が生じます。この点を考慮し、ランニングコストを抑えたい場合はハイブリッド車が有利と言えます。
クロスターの口コミやレビュー
フィットクロスター初めて見た
普通のフィットはかわいくてしょぼんとして眠たい感じで何だか元気なさそうだけど、クロスターはカッコよかった
アイスブルーみたいな色でおしゃれな感じだった
フィット4なかなか良さそう pic.twitter.com/9akWfNUzN9— shelley (@shelley01260126) October 20, 2024
既に3ナンバーモデルはあるというw
でも、「フィットクロスター」ほど、納得できない3ナンバーは少ないw https://t.co/zvN2RYeVy4 pic.twitter.com/TyJ5lGOjTr
— 正樹@JB64Wジムニー (@msk_jb64w) October 15, 2024
既に3ナンバーモデルはあるというw
でも、「フィットクロスター」ほど、納得できない3ナンバーは少ないw https://t.co/zvN2RYeVy4 pic.twitter.com/TyJ5lGOjTr
— 正樹@JB64Wジムニー (@msk_jb64w) October 15, 2024
汚れたねぇ(笑
でもすごくカッコいいぞ😉
フィットクロスター大好き!! pic.twitter.com/NR7ccvKkKV— たかしろ🦊犬山あおいちゃんは妻🐶 (@inukitsunecamp) September 30, 2024
フィットクロスターの購入をおすすめする人・しない人
フィットクロスターは、SUVテイストを取り入れた特別仕様のコンパクトカーとして人気があります。しかし、すべての人に最適な車とは限りません。ここでは、フィットクロスターを購入するのに向いている人と、そうでない人の特徴を解説します。
フィットクロスターの購入をおすすめする人
- SUV風のデザインを好む人
フィットクロスターは、コンパクトカーでありながらSUVらしい力強いデザインが魅力です。専用バンパーやホイールアーチプロテクターが装備されており、アウトドア感のある見た目を楽しみたい人にぴったりです。 - 普段は街乗りがメインだが、アウトドアにも使いたい人
フィットクロスターは最低地上高が少し高めに設定されており、多少の悪路でもスムーズに走行できます。普段は都市部での移動が中心でも、週末にキャンプやドライブを楽しみたい人に適しています。 - コンパクトカーの取り回しの良さを求めつつ、安全性能も重視する人
Honda SENSINGが全グレードに標準装備されており、衝突軽減ブレーキや車線維持支援システムが搭載されています。コンパクトなサイズ感で運転しやすく、安全性能にもこだわりたい人におすすめです。 - 燃費の良いハイブリッドSUVを探している人
e:HEV(ハイブリッド)モデルなら、WLTC燃費が27.1km/L(FF)と非常に優秀です。年間走行距離が長く、燃費を重視する人には魅力的な選択肢となるでしょう。
フィットクロスターの購入をおすすめしない人
- 本格的なSUVの走破性を求める人
フィットクロスターはSUV風のデザインですが、四輪駆動(4WD)モデルであっても、本格的なオフロード走行には向いていません。雪道や未舗装路を頻繁に走る人には、より悪路走破性の高いSUVを選んだほうがよいでしょう。 - 価格重視でできるだけコスパの良い車を求める人
フィットクロスターは、フィットシリーズの中でも価格が高めに設定されています。標準のフィット(BASICやHOME)に比べて装備が充実している分、価格が高くなるため、予算を抑えたい人には他のグレードのフィットが適しているかもしれません。 - 高速道路での加速性能を重視する人
フィットクロスターのエンジンは、ガソリン車(1.5L)とハイブリッド(e:HEV)の2種類ですが、どちらもパワフルな加速を求める人には物足りないと感じる可能性があります。特に、高速道路の合流や追い越しでは、エンジン音が大きくなりやすい点に注意が必要です。 - 静粛性を重視する人
フィットクロスターは、走行中のロードノイズや風切り音がやや気になるという口コミもあります。特に、高速道路では静粛性の高い車と比べると音が入りやすくなるため、静かな車内空間を求める人には向かないかもしれません。
ホンダフィット3ナンバーについてのまとめ
記事のポイントについてまとめます
- ホンダ フィット 3ナンバーは「クロスター」のみが該当する
- フィット クロスターはSUVテイストを取り入れた特別仕様車
- 他のフィットよりも最低地上高が高く、悪路でも走行しやすい
- ホイールアーチプロテクターにより車幅が1,700mmを超え3ナンバー化
- SUV風のデザインで都市部とアウトドアの両方に適応
- 内装には撥水加工シートを採用し実用性を向上
- Honda SENSINGを標準装備し安全性能が高い
- 3ナンバーでも税金や維持費は5ナンバーと大きく変わらない
- WLTCモード燃費はガソリン車で17.6km/L、ハイブリッド車で27.1km/L
- 高速道路では加速性能が物足りないとの意見もある
- ロードノイズがやや大きく、静粛性に関しては改善の余地がある
- 価格はフィットシリーズの中で最も高めに設定されている
- 3ナンバーながらコンパクトなボディで運転しやすい
- 購入を検討する際はSUV風デザインと実用性のバランスを考えることが重要