出典:マツダ2公式サイト
マツダの人気コンパクトカー「マツダ2」は、2024年9月をもってディーゼルモデルの国内生産が終了することが正式に発表されました。これにより、今後マツダ2のディーゼル仕様を新車で購入することはできなくなります。今回の生産終了を受けて、燃費性能や走行性能、故障リスク、煤の問題など、あらためてディーゼルモデルの特徴を見直す動きが広がっています。
特に、これから中古で購入を検討している方にとっては、「ディーゼルとガソリンのどっちを選ぶべきか」という選択が大きなポイントとなるでしょう。実燃費の違いや維持コストの差、さらには走りの力強さや静粛性といった性能面の評判も踏まえた上で、慎重に比較する必要があります。
この記事では、マツダ2ディーゼル廃止の背景から、ディーゼル車のメリット・デメリット、ガソリン車との違い、そして今後の市場動向までを総合的に解説していきます。マツダ2のディーゼル車が本当に「速い」のか、煤によるトラブルを防ぐにはどうすべきか、今後の選択に役立つ実用的な情報を丁寧にまとめました。購入や乗り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
- マツダ2ディーゼルの生産終了に至った具体的な理由
- ディーゼルとガソリンの違いや選び方のポイント
- 廃止後の中古市場や故障・メンテナンスの傾向
- 今後のマツダのディーゼル戦略と展望
マツダ2 ディーゼル 廃止の背景と理由 ガソリンとどっち?
- マツダ2で後悔するかもしれない8つの欠点
- 後部座席や荷室が狭いことへの評価
- ディーゼル車の価格の高さは後悔の要因か
- マツダ2の燃費は本当に悪いのか
- マツダ2の死角はどこ?運転しにくいと感じる理由
- 騒音は気にならない?うるさいと感じるシチュエーション
MAZDA2ディーゼル生産終了の正式発表内容
マツダは2024年7月10日、「マツダ2」のディーゼルモデルの国内向け生産を2024年9月17日で終了すると公式に発表しました。この背景には、販売台数の減少と新たな排ガス規制の導入という二つの要因があります。
直近の国内販売におけるディーゼル比率は約1割程度にまで落ち込み、需要が限定的になっていました。さらに、2024年10月から施行される新規制では窒素酸化物(NOx)の排出基準が厳格化され、試験方法も従来の室内ローラー試験から実走行を含む形式(RDE試験)に変わります。この基準をクリアするには、エンジン改良や排ガス後処理システムの追加など多額の開発投資が必要です。1.5Lディーゼルはマツダ2専用エンジンであり、他モデルへの展開もないため、投資回収が難しいと判断されました。結果として、マツダは改良を見送り、生産終了に踏み切りました。
一方で、海外市場では現地規制に対応できるため、タイなど一部地域での生産と販売は継続されます。ガソリンモデルは国内でも販売を続けるため、マツダ2そのものが消滅するわけではありませんが、国産唯一のコンパクトディーゼルという存在は消えることになります。
出典:マツダ公式サイト
マツダ2のメリットとデメリット
マツダ2ディーゼルは、メリットとデメリットの両方が明確なモデルです。
メリットの第一は、1.5Lディーゼルターボが発生する最大トルク250Nmという力強さです。これは排気量2.5Lクラスのガソリンエンジンに匹敵し、高速道路の合流や登坂でも余裕を持った加速が可能です。また、燃料が軽油であるためランニングコストを抑えやすく、長距離を走るほど経済的な優位性が高まります。加えて、内外装の質感がクラスを超えて高く、特に上級グレードや特別仕様車では本革やスエード調素材を多用するなど、コンパクトカーの枠を超えた高級感が魅力です。
一方で、ディーゼル特有のカラカラ音や振動はガソリン車より目立つ場合があります。また、エンジン重量が重くフロントヘビーになりやすいため、コーナリングでの軽快さはガソリンモデルにやや劣ります。さらに、短距離走行が多い環境ではDPF詰まりやEGRバルブの汚れが進みやすく、煤の清掃や部品交換など追加のメンテナンスコストがかかる可能性があります。
このように、高トルクと低燃費のメリットを得られる一方で、メンテナンス性や音振動面では注意が必要なモデルです。
ディーゼル ガソリン どっちを選ぶべきか
マツダ2を選ぶ際に、ディーゼルかガソリンかで迷う人は多いでしょう。両者の特性を踏まえると、選び方は使用環境で大きく変わります。
ディーゼルは、高速道路や郊外を中心に年間1万km以上走るユーザーに向いています。軽油はレギュラーガソリンより1Lあたり約20円安く、燃費性能も高いため、走行距離が長いほど燃料費の節約効果が大きくなります。また、低回転からトルクが立ち上がるため、荷物や乗員が多い状況でも余裕のある走行が可能です。
一方で、街乗りや短距離走行が中心の人はガソリン車の方が適しています。ガソリンモデルは暖機が早く、先述のディーゼルで懸念されるDPF詰まりのリスクも低いため、維持費や手間が抑えられます。さらに車両価格もディーゼルより低く、初期費用を抑えたい場合にも有利です。
どちらが正解かは一概に言えませんが、年間走行距離や利用環境、静粛性重視か経済性重視かを明確にすることで、自分に合った選択が可能になります。
ディーゼルとガソリン 燃費の違い
燃費性能では、ディーゼルとガソリンで明確な差があります。マツダ2ディーゼルはWLTCモードで19.2~25.2km/Lと優秀で、実燃費でも18~24km/Lを記録する例が多く、高速巡航ではさらに伸びることもあります。軽油はガソリンより安価で、燃費差と燃料単価差を合わせると長距離走行では大きなコスト削減につながります。
一方、ガソリンモデルはWLTCモードで16~20km/L、実燃費は13~17km/L程度が一般的です。燃費では劣るものの、エンジンの軽快さ、暖機時間の短さなど日常使いでの扱いやすさは魅力です。特に短距離中心の利用では燃費差の恩恵が小さく、ディーゼル特有のメンテナンスリスクを避けられる点でガソリン車が優位になります。
燃料コストや年間走行距離、メンテナンス費用まで含めて総合的に比較すると、自分の使い方に合った燃費メリットを最大限引き出すことが重要です。
マツダ ディーゼル 今後の展望
マツダは今後、国内のコンパクトカーにディーゼルエンジンを再投入する可能性は低いと見られます。排ガス規制の厳格化やディーゼル車需要の縮小により、開発コストを回収するのが難しいためです。
現在の1.5Lディーゼルはマツダ2専用であり、他モデルへの転用がないことから、改良コストをかけて規制に適合させるメリットが小さいのが実情です。今後はハイブリッドやEVなど電動化技術への投資が加速し、コンパクトセグメントでも電動モデルの割合が増えると予想されます。
海外では依然としてディーゼル需要が残る国があり、タイなどでは生産が続きますが、世界的には環境規制と市場動向の両面からディーゼルは縮小傾向にあります。国産車でディーゼルのトルク性能を求めるのは難しくなり、代替としてガソリンターボやモーターアシストによる高トルク化が主流になる可能性があります。
マツダ2 ディーゼル 廃止後の市場動向と評価
- マツダ2で後悔するかもしれない8つの欠点
- 後部座席や荷室が狭いことへの評価
- ディーゼル車の価格の高さは後悔の要因か
- マツダ2の燃費は本当に悪いのか
- マツダ2の死角はどこ?運転しにくいと感じる理由
- 騒音は気にならない?うるさいと感じるシチュエーション
中古の流通状況と価格相場
マツダ2ディーゼルの中古車は、ガソリンモデルに比べて流通台数が限られています。2025年8月時点で全国に約100~180台前後が市場に出ており、価格は年式や走行距離に応じて130万〜200万円が相場です。
生産終了による希少価値の上昇が価格を下支えしており、ガソリン車より高値で取引されることが多い状況です。前身のデミオディーゼルを含めると選択肢は広がり、走行距離や年式によっては50万円以下の物件も見つかりますが、人気グレードや特別仕様車は依然として高値です。
購入する際は、外装・内装の状態に加えて、DPFやEGR系統のメンテナンス履歴、オイル交換間隔、使用環境などを入念に確認する必要があります。特に長距離走行で使用されていた個体はエンジンや排気系が良好な状態であることが多く、短距離中心だった車両よりも安心して購入できます。

故障の傾向と予防策
マツダ2ディーゼルで多く報告されるトラブルは、DPF詰まりとEGRバルブの汚れです。どちらも短距離走行や低負荷運転が続くことで発生しやすく、排気ガスの通り道が狭くなるとエンジン性能や燃費の低下、警告灯の点灯といった症状につながります。予防策としては、定期的に30分以上の高速走行を行い、排気温度を高めて煤を焼き切ることが有効です。
また、エンジンオイルはマツダが指定する粘度と規格のものを使用し、交換間隔を守ることが重要です。これにより、ターボや排気系統への負担を減らし、トラブルの発生を抑えられます。
さらに、定期点検でOBD診断を実施し、DPF再生の履歴や異常値の有無を確認することで、早期発見・早期対応が可能になります。ディーゼル特有のメンテナンスを怠らないことが、長く快適に乗るための鍵となります。
速いと評判の走行性能
マツダ2ディーゼルは、コンパクトカーながら2.5Lガソリンエンジン並みの最大トルク250Nmを発揮します。この数値は日常の加速や高速巡航で大きなアドバンテージとなり、登坂や追い越しでも余裕のある走りを実現します。
さらに、6速ATだけでなく6速MTも用意されており、運転を楽しみたいユーザーから高い評価を受けています。車重が軽いため、発進からのレスポンスが良く、市街地でのストップ&ゴーでも力強さを感じられます。
また、足回りはしっかりとしたセッティングが施され、安定感とハンドリング性能が両立されています。これにより、街乗りからワインディング、高速道路まで幅広いシーンで走りの楽しさを味わえるモデルとなっています。
煤問題と対策方法
ディーゼルエンジンでは避けられない煤の発生は、マツダ2でも注意が必要です。特にDPF内部に煤が蓄積すると、燃費悪化やパワーダウン、警告灯点灯の原因になります。対策としては、短距離走行ばかりを繰り返さず、時折30分以上の高速走行を行い、排気温度を上げてDPF内の煤を燃焼させることが有効です。
さらに、低品質な燃料や推奨外のオイルを使うと煤の発生が増えるため、必ずメーカー推奨の軽油とオイルを使用する必要があります。定期的に点検を受け、DPF再生の頻度や詰まり具合を確認することで、大きなトラブルを防ぐことができます。
煤問題はディーゼル特有の宿命ですが、適切な運用とメンテナンスによって十分コントロールが可能です。
乗ってる人の口コミ・感想レビュー
実際にマツダ2ディーゼルに乗っているオーナーからは、低回転からのトルク感や長距離運転時の疲労の少なさが高く評価されています。軽油による燃料代の安さや、高速道路での静粛性も好評です。
一方で、ディーゼル特有のエンジン音や煤詰まりの可能性、部品交換費用の高さを懸念する声もあります。
特に短距離走行が中心のユーザーからは、DPFトラブルや再生頻度の多さに関する不満が挙がっています。ただし、走行環境が適していれば大きなトラブルなく長く乗れるという意見も多く、総合的には高評価な傾向です。
購入検討時には、自分の使用環境がディーゼルに向いているかを事前に確認することが満足度を高めるポイントとなります。
参考:carview!
ガソリンとどっちを選ぶ?マツダ2ディーゼル廃止の総括
- 2024年9月17日をもって国内向けディーゼル生産を終了
- 終了理由は販売減少と排ガス規制強化によるコスト増
- 新規制では実走行を含むRDE試験の適合が求められる
- 1.5Lディーゼルエンジンはマツダ2専用で他車展開なし
- 海外では一部地域でディーゼル生産・販売を継続
- ガソリンモデルは国内販売が引き続き継続される
- ディーゼルはトルクと燃費に優れ長距離向き
- ガソリン車は静粛性や初期費用の面で扱いやすい
- ディーゼルの実燃費は18~24km/Lで軽油の経済性も高い
- 中古市場ではディーゼルが希少で価格は130〜200万円程度
- 故障の多くはDPFやEGRの詰まりに起因する
- 定期的な高速走行や純正オイル使用が故障予防に有効
- 煤問題対策には5,000kmごとのオイル交換が推奨される
- 高速域での走行性能やトルク感はユーザー評価が高い
- 短距離利用者にはDPF再生頻度や煤詰まりのリスクがある