出典:ホンダN-VAN公式
N-VANの購入を検討する際、「ターボはいらないのか、それとも必須なのか」という悩みは、多くのオーナー予備軍が直面する最大の分岐点です。口コミを見ても「NAで十分」という声と「絶対にターボがいい」という声が入り乱れており、判断に迷うのも無理はありません。
結論から申し上げますと、その答えは「あなたがN-VANをどう使うか」で明確に決まります。まずは以下のチェックリストで、ご自身のタイプを診断してみてください。
【30秒で診断】あなたはどちらのタイプ?
■ NA(自然吸気)モデルが正解な人
- 片道10km圏内の通勤や買い物がメイン
- 高速道路は年に数回しか乗らない
- 重い荷物(100kg以上)を積むことは滅多にない
- 平坦な市街地での配送業務が中心
- 初期費用と維持費を最優先に抑えたい
■ ターボモデルを選ぶべき人
- 高速道路を使っての遠出やレジャーを月に何度も楽しむ
- キャンプ道具満載や車中泊仕様で重量が増える予定がある
- 自宅周辺や通勤路に急な坂道が多い
- 合流や追い越しでストレスを感じたくない
- 「あとで後悔したくない」という安心感を買いたい
この記事では、この判断基準を裏付ける具体的なスペック比較、燃費の実データ、そして4WDの必要性まで、後悔しないための全情報を徹底検証します。
記事のポイント
- NAとターボにおける具体的なスペックや燃費数値の違い
- 街乗りや高速道路などシーン別に見る加速フィールの差
- 4WDモデルが真価を発揮する路面状況と具体的な走行性能
- 購入後にパワー不足や維持費で後悔しないための選択基準
街乗りではN-VANのターボはいらないか口コミから検証

- ターボの燃費データ
- ターボの加速の実力
- ターボで高速は楽になるか
- N-VANのターボに関する実際の口コミ
- N-VAN選びで後悔するパターン
N-VANのNAとターボを徹底比較
「街乗りメインならNAで十分」というのは定説ですが、具体的にどれくらいの性能差があるのかを知っておくと、より納得して選ぶことができます。
カタログスペック上の決定的な違いは、「力の出方」と「発生回転数」にあります。NAエンジンは回転数を上げて力を絞り出すのに対し、ターボエンジンは低い回転数から太いトルク(押し出す力)を発揮します。
エンジンスペックの比較表
| 項目 | NAエンジン(G / L / +STYLE FUN) | ターボエンジン(+STYLE FUN ターボ) |
|---|---|---|
| 最高出力 | 39kW (53PS) / 6,800rpm | 47kW (64PS) / 6,000rpm |
| 最大トルク | 64N・m (6.5kgf・m) / 4,800rpm | 104N・m (10.6kgf・m) / 2,600rpm |
注目すべきは最大トルクです。ターボモデルはNAの約1.6倍の力を、NAよりも圧倒的に低い2,600rpmという回転数で発揮します。これは、「アクセルを少し踏むだけで、グイッと前に出る」ことを意味します。
価格差はおよそ10万〜15万円程度です。この金額を「高い」と感じるか、「10年乗るなら月千円ちょっとの投資」と捉えるかが判断の分かれ目となります。もし迷いが残るなら、リセールバリュー(売却価格)まで考慮すると、需要の高いターボモデルの方が結果的に損をしないケースも多いと言えます。

ターボの燃費データ

「ターボは燃費が悪いから維持費がかかる」というイメージだけでNAを選ぼうとしていませんか? 実はN-VANの場合、カタログ値ほどの差は実燃費で出にくいのが現実です。
WLTCモード燃費の比較(FFモデル例)
| モード | NA車(+STYLE FUN) | ターボ車(+STYLE FUN ターボ) |
|---|---|---|
| WLTCモード(総合) | 19.8km/L | 18.8km/L |
| 市街地モード | 17.3km/L | 16.4km/L |
| 郊外モード | 21.0km/L | 20.0km/L |
| 高速道路モード | 20.2km/L | 19.0km/L |
カタログ上の差は約1.0km/Lです。年間1万km走行、ガソリン代170円/Lで計算しても、年間の燃料費差額は約4,000円〜5,000円程度に収まります。
重要なのは「無理をして走っているかどうか」です。NA車で荷物を積んで坂道を登る際、パワー不足を補うためにアクセルをベタ踏みにすれば、燃費は急激に悪化します。逆にターボ車は、余裕のあるトルクでアクセル開度を抑えて走れるため、負荷の高いシーンではNAと燃費が逆転することさえあります。
- 平地のみ・空荷・のんびり運転 → NAが燃費良好
- 坂道あり・積載あり・キビキビ運転 → ターボとNAの燃費差は誤差レベル
このように割り切って考えるのが正解です。

ターボの加速の実力
加速性能の違いは、信号待ちからの「ゼロ発進」と、走行中の「追い越し加速」で明確に体感できます。
■ 街中での発進 ターボモデルは2,600rpmという低回転で最大トルクが出るため、青信号で発進する際、軽自動車とは思えないスムーズさで法定速度まで到達します。特に夏場、エアコンをフル稼働させている状態での発進では、NAとの差が歴然とします。「NAだとエアコンをつけると重い」という軽バン特有のストレスから解放されるのは大きなメリットです。
■ 幹線道路やバイパスでの合流 短い合流レーンで一気に加速が必要な場面こそ、ターボの実力が試されます。NAモデルではエンジンが唸りを上げてもなかなか速度が乗らないことがありますが、ターボならアクセルを踏み足すだけでリニアに加速し、安全に本線の流れに乗ることができます。
「自分は飛ばさないから関係ない」という方でも、この「いざという時の瞬発力」は安全マージンになります。余裕のある加速は、焦りのない運転につながるからです。
ターボで高速は楽になるか

結論として、高速道路を月に一度でも利用するなら、ターボモデルを強く推奨します。これには「速さ」だけでなく、「疲れにくさ」という観点が大きく関わっています。
N-VANのような背の高い車(トールワゴン)は空気抵抗の塊です。NAモデルで100km/h巡航を維持しようとすると、エンジン回転数は常に高回転域(4,000rpm以上など)を維持することになり、車内は騒音で満たされます。助手席の人と会話するのに声を張り上げる必要が出てくるレベルです。
一方、ターボモデルであれば、より低い回転数で巡航できるため、静粛性が保たれます。また、Honda SENSINGのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を使用する際も、前車に追従して再加速する動作がスムーズで、ギクシャク感が少なくなります。
- NAモデル: 高速走行は「頑張って走る」苦行になりがち
- ターボモデル: 高速走行も「普通にこなせる」移動手段になる
この差は、長距離移動後の疲労感にはっきりと現れます。
N-VANのターボに関する実際の口コミ
ユーザーの口コミは、その人が「何を期待して買ったか」という前提条件とセットで見ることが重要です。
■ 「ターボいらない」派の声
- 「近所の配達と買い物だけなので、NAで何も困らない」
- 「スピードを出さないので、NAでも必要十分。むしろ安く買えて満足」
- 「浮いたお金でオプションを充実させられたのが良かった」
■ 「ターボにして良かった」派の声
- 「キャンプ道具満載でも坂道をグイグイ登る。NAの試乗車とは別物だった」
- 「高速の合流で怖くないのが一番。NAの代車に乗った時にパワー不足を痛感した」
- 「リセールを考えてターボにしたが、普段の運転が楽で正解だった」
このように、用途がマッチしている人はどちらを選んでも満足度が高いです。逆に不満が出ているのは、「NAを選んだが、思ったより坂道が多かった」「ターボを選んだが、近所しか走らずオーバースペックだった」というミスマッチのケースがほとんどです。
N-VAN選びで後悔するパターン
「こんなはずじゃなかった」という後悔を避けるために、典型的な失敗パターンを事前に知っておきましょう。
- 「安いから」でNAを選び、パワー不足にストレスを感じる 最も多い後悔です。特に、購入後に趣味で使うようになり、車中泊ベッドや棚をDIYして車重が増えたケースで顕著です。「坂道で後ろの車に気を遣う」「エアコンをつけると進まない」という毎日の小さなストレスは、長く乗るほど積み重なります。
- 装備の違いを見落としてNAの下位グレードを選ぶ ターボモデルは上位グレード(+STYLE FUNなど)に設定されていることが多く、快適装備が充実しています。逆にNAの下位グレードを選ぶと、スマートキーではなかったり、内装が簡素だったりと、エンジン以外の部分で不満が出ることがあります。
- 短距離利用のみでターボを選び、メンテナンスを負担に感じる ちょい乗り(シビアコンディション)の繰り返しは、エンジンオイルの劣化を早めます。ターボ車は特にオイル管理が重要なので、メンテナンスに無頓着だと故障リスクが上がります。「近所のスーパーに行くだけならNAで十分だった」というコスト面での後悔です。
使用環境でN-VANのターボはいらないと判断

- N-VANのターボと4WDが必要な人
- 4WDの走破性の実態
- 4WDの性能を理解する
- 結論としてN-VANのターボはいらないか
N-VANのターボと4WDが必要な人
エンジン選びと同様に悩ましいのが駆動方式(FFか4WDか)です。「ターボ+4WD」という最強スペックが必要なのは、以下のような明確な悪条件がある人に限られます。
■ ターボ+4WDが必須なケース
- 降雪地域(北海道・東北・北陸・山間部など)に居住している
- 冬場は毎週のようにスキー場へ行く
- キャンプ場や釣り場へのアクセスで、未舗装の急坂を通る
雪道や泥道などの「抵抗の大きい路面」を走るには、タイヤを回すためのパワー(ターボ)と、そのパワーを地面に伝える駆動力(4WD)の両方が必要です。FF(前輪駆動)では空転して登れない坂でも、4WDなら後輪が押し上げてくれます。
逆に言えば、都市部で年に数回雪が降る程度なら、FFのNAモデルにスタッドレスタイヤを履かせるだけで十分対応可能です。「念のため」で4WDを選ぶと、車両重量増による燃費悪化と価格上昇というデメリットだけを背負うことになりかねません。

4WDの走破性の実態

N-VANの4WDは、ジムニーのような「道なき道を走る」ためのシステムではありませんが、「生活道路での立ち往生を防ぐ」という点では非常に優秀です。
特に評価が高いのは、雪道での発進性能と、濡れた路面での安定性です。ホンダの4WDシステムは、前輪が滑った瞬間に素早く後輪へ駆動力を配分するため、凍結した交差点の発進や、雨の日のマンホールの上などでヒヤッとする場面を減らしてくれます。
ただし、過信は禁物です。N-VANは低床設計のため、最低地上高(地面との隙間)はそれほど高くありません。深い新雪や、深い轍(わだち)がある悪路では、お腹(車体の底)がつかえて動けなくなる「亀の子状態」になるリスクがあります。「4WDだから無敵」ではなく、「悪条件でも走り出せるサポート機能」と捉えるのが正解です。

4WDの性能を理解する
N-VANに採用されているのは「ビスカスカップリング式」と呼ばれる4WDシステムです。この仕組みを簡単に言うと、「普段は燃費の良いFFで走り、必要な時だけ自動で4WDになる」というものです。
- ドライバーが切り替え操作をする必要がない
- 乾燥路ではFFに近い燃費で走れる
- システムが軽量でシンプル
- 本格的な悪路脱出能力はフルタイム4WDに劣る
- 4WD化により車重が増え、FFより燃費が若干落ちる
この特性を理解していれば、「普段使いの燃費を犠牲にしすぎず、いざという時の安心感が欲しい」というニーズに合致することがわかります。購入時は、ご自身の生活圏に「FFでは登れない坂」や「スタックしやすい場所」があるかどうかを具体的にイメージしてください。
結論としてN-VANのターボはいらないか
ここまで検証してきた内容を踏まえ、あなたが選ぶべきモデルを最終決定するための要点をまとめました。
- 街乗り・近距離配送・平地のみなら「NA」が賢い選択
- コスト(初期費用・燃費)最優先なら「NA」一択
- 信号の多い街中ではNAのストップ&ゴーも意外と軽快
- 荷物満載・車中泊仕様にするなら「ターボ」が必須
- 高速道路の利用があるなら、迷わず「ターボ」を選ぶべき
- 合流・追い越し・坂道でのストレスは「ターボ」で消せる
- 実燃費の差は走り方次第で縮まるため、過度な心配は不要
- 雪道や未舗装路を走るなら「4WD」だが、都市部はFFで十分
- リセールバリュー(売却益)は「ターボ」の方が期待できる
- 悩んで決められないなら、「ターボ」を買っておくのが後悔しない道
「大は小を兼ねる」ではありませんが、車においては「パワーの余裕は心の余裕」につながります。予算が許すのであれば、ターボモデルを選んでおくことで、N-VANの使い勝手と行動範囲は大きく広がることでしょう。









