出典:ホンダS660
ホンダ S660のCVTモデルを検討中、あるいはオーナーになったものの、「本当にこの選択で良かったのか?」と後悔の念がよぎっていませんか?軽スポーツカーとしての魅力は大きいものの、MTモデルと比較した際の運転の楽しさや、特有の故障リスクについて不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、S660のCVTモデルが本当に楽しいのか、パドルシフトの使い心地から、気になる女子ウケ、幅広い年齢層からの評価まで、多角的に掘り下げます。さらに、維持に欠かせないCVTオイル交換の重要性にも触れ、S660のCVTモデルに関するあらゆる疑問にお答えします。
※S660は2022年3月に生産終了しており、現在は中古車のみの流通となっています。
記事のポイント
- S660 CVTモデルの走行性能に関するリアルな評価
- オーナーが語るメリットと後悔しやすいポイント
- 故障を避けるために不可欠なメンテナンスと維持費
- 購入後に後悔しないための総合的なチェック項目
S660 CVTで後悔?走行性能に関する評判
- MTとCVTはどっちを選ぶべき?メリット・デメリットを徹底比較
- S660のCVTは本当に楽しいのか?
- CVTパドルシフトの操作感
- シフトアップ時のフィーリング
- CVTの変速ショックは気になる?
- 乗ってる人の口コミ・感想レビューまとめ
MTとCVTはどっちを選ぶべき?メリット・デメリットを徹底比較
S660の購入を検討する上で誰もが悩む「MTかCVTか」という問題に直接お答えします。以下のような比較表を用いて、それぞれの長所と短所を分かりやすく整理し、どのような方にどちらが向いているのかを明確に解説します。
S660のCVTは本当に楽しいのか?
S660のCVTモデルが「楽しいか、楽しくないか」という問いの答えは、何を求めるかによって大きく変わります。結論から言えば、多くのオーナーが「予想以上に楽しい」と感じています。その楽しさの核となるのが、スポーツモードと7速パドルシフトの存在です。
街乗りやツーリングでは、CVTならではの滑らかな変速が快適なドライブを提供します。渋滞時のわずらわしさもなく、イージードライブが可能です。そして、ワインディングロードなどで走りを楽しみたい場面では、スポーツモードをONにすることで、エンジンの回転数を高く保ち、アクセルレスポンスが鋭くなります。これにより、軽自動車とは思えないほどのスポーティな感覚を味わうことができます。
ただし、MTモデルと比較した場合、楽しさの質は異なります。自分でクラッチを操作し、ギアをダイレクトに選択する一体感や、エンジンを意のままに操る感覚を最優先する方にとっては、物足りなさを感じる可能性があります。CVTモデルの楽しさは、あくまで「CVTの枠の中で最大限にスポーティさを追求した楽しさ」であり、その点を理解することが、購入後の満足度に繋がります。
参考:ホンダ技研|CVT
:CarWatch|ホンダ「S660 (高知 横波黒潮ライン編)」
CVTパドルシフトの操作感
S660のCVTモデルには、ステアリングの裏側に設置されたパドルシフトが標準装備されています。これにより、指先ひとつで疑似的な7速マニュアル変速が可能です。この操作感は、まるでレーシングカーやゲームの「グランツーリスモ」を操作しているかのような感覚をもたらし、多くのドライバーを魅了しています。
Dレンジのままでもパドルを操作すれば一時的にマニュアルモードに移行し、エンジンブレーキを使いたい時などに便利です。本格的に楽しむなら、シフトレバーを「S」に入れ、スポーツモードをONにすることで、パドル操作へのレスポンスが向上します。
特にコーナーリングにおいては、パドルシフトが大きな武器となります。コーナー進入前にパドルでシフトダウンし、最適なエンジン回転数を維持したまま駆け抜けることができます。これにより、ドライバーはステアリング操作とライン取りに集中でき、ミッドシップレイアウトがもたらす優れたハンドリング性能を存分に引き出すことが可能です。MTのようなクラッチ操作の煩わしさがない分、よりスムーズな運転ができると感じる人も少なくありません。
項目 | 通常モード | スポーツモード |
---|---|---|
スロットル応答 | 穏やか | 俊敏寄り |
パドル操作の受け付け | あり(巡航寄り味付け) | あり(高回転を使いやすい) |
自動シフトアップ | あり | あり(タイミングは高回転寄り) |
エンジンブレーキ制御 | 積極度は控えめ | 積極度が高い |
シフトアップ時のフィーリング
S660のCVTにおけるシフトアップは、パドル操作に対して比較的素直に反応します。スポーツモード時には、エンジン回転数がレブリミットに近づくと自動的にシフトアップする制御も入っており、エンジンを保護しつつスポーティな走行をサポートします。
ただし、そのフィーリングはMT車やDCT(デュアルクラッチトランスミッション)とは一線を画します。CVTの構造上、ギアが物理的に切り替わるわけではないため、MTのような「ガツン」とくるダイレクトな感覚はありません。一部のオーナーからは、シフトアップ時に若干のタイムラグや「ダルさ」を感じるといった声も聞かれます。
また、アクセルの踏み込み方によっては、シフトアップ時に軽いショックを感じることもあります。これはCVT特有の挙動であり、慣れやアクセルワークの工夫によってある程度は解消できます。総じて、S660のCVTはスムーズさを重視したセッティングでありながら、パドルシフトによってスポーツ走行の雰囲気も味わえる、バランスの取れたフィーリングと言えるでしょう。
レブリミットとは、エンジンの回転数が許容範囲を超えてしまい、エンジンブローなどの深刻なダメージを受けるのを防ぐために設定された、回転数の上限値のことです。「rev limit(レブ リミット)」が語源で、日本語では「過回転防止装置」とも呼ばれます。
アクセルを踏み続けても、このレブリミットに達すると燃料の供給がカットされるなどして、それ以上回転数が上がらないように制御されます。これにより、ドライバーは安心してエンジンの性能を引き出すことができるのです。
CVTの変速ショックは気になる?
S660のCVTモデルを語る上で、しばしば話題に上るのが「変速ショック」です。特に、パドルシフトを用いてエンジンブレーキを効かせる際など、シフトダウン時に比較的大きなショックを感じるという報告が多く見られます。
このショックは、速度域や選択するギアの段数によって感じ方が異なり、特に中速域から一気に低いギアへ落とそうとすると顕著に現れる傾向があります。これは、エンジン回転数を合わせるための制御によるものと考えられますが、スムーズな減速を期待していると、少しギクシャクした印象を受けるかもしれません。
対策としては、急激なシフトダウンを避け、一つずつ丁寧にギアを落としていくことや、アクセル操作と組み合わせることが挙げられます。また、シフトダウンよりもシフトアップの方がショックは少ないため、操作に慣れるまではシフトアップを中心にパドルシフトを楽しむのがおすすめです。この変速ショックはS660のCVTが持つ一つの「味」とも捉えられますが、購入前に試乗などでフィーリングを確認しておくことが、後悔を避けるための重要なポイントとなります。
- ダウン時は軽くアクセルを戻して回転差を合わせる意識を持つ
- ブレーキで減速を先に作り、回転が落ちたところで段を落とす
- スポーツモードで制御を統一し、不要な多段ダウンを避ける
- 低温時や長期未交換のCVTフルードではフィールが荒れやすいため、適切なCVTオイル交換を計画する
乗ってる人の口コミ・感想レビューまとめ
S660のCVTモデルに対するオーナーの評価は、その用途や期待値によって様々です。口コミを総合すると、以下のような声が多く見られます。
ポジティブな意見
- 街乗りや通勤では最高に快適: 渋滞でも楽で、普段使いにはCVTのメリットが大きい。
- 思ったより速くてスポーティ: スポーツモードとパドルシフトで、十分に走りを楽しめる。
- 運転に集中できる: クラッチ操作がない分、ハンドリングやブレーキングに専念できる。
- AT限定免許でも乗れる本格スポーツカー: 貴重な選択肢として高く評価されている。
ネガティブな意見
- MTと比べると物足りない: 車を操るダイレクト感や一体感ではMTに軍配が上がる。
- 加速力に不満: 車両重量に対してパワーがもう少し欲しいと感じる場面がある。
- 変速のフィーリング: 特有の変速ショックやCVTのラバーバンドフィールに違和感を持つ人もいる。
- 実用性の低さ: 荷物が全く積めないため、この車一台で全てをこなすのは困難。
これらの意見から、S660のCVTモデルは「スポーツ走行も楽しめる快適なセカンドカー」として割り切ることで、非常に高い満足感が得られる車であると考えられます。
S660 CVTで後悔しないための維持と評価
- CVTの故障リスクと対策
- CVTオイル交換の頻度と費用
- CVTオイル交換は早めが良い?
- S660オーナーの年齢層は?
- S660の女子ウケは期待できる?
- まとめ:S660 CVTで後悔しないために
CVTの故障リスクと対策
S660に搭載されているCVTは、ホンダが長年培ってきた技術の結晶であり、特有の持病や頻繁な故障といった報告は比較的少ないのが特徴です。しかし、どのようなトランスミッションであっても、メンテナンスを怠れば不具合のリスクは高まります。
最も重要な対策は、定期的なCVTフルード(CVTオイル)の交換です。CVTは内部の金属ベルトとプーリー間の摩擦によって動力を伝達するため、フルードの劣化は性能低下や異音、最悪の場合はミッション本体の故障に直結します。
特に中古車で購入を検討する場合は、これまでのメンテナンス履歴を必ず確認することが大切です。走行距離が少なくても、過度なスポーツ走行を繰り返していた車両は、CVTに負担がかかっている可能性があります。整備記録簿で定期的にCVTオイルが交換されているかを確認することが、後悔しないための最低限のチェックポイントと言えるでしょう。万が一、走行中にジャダー(振動)や異音を感じた場合は、速やかに専門家による点検を受けることが求められます。
CVTオイル交換の頻度と費用
S660の性能を維持し、CVTの故障を防ぐ上で、オイル交換は最も重要なメンテナンス項目です。交換頻度や費用の目安を把握しておくことは、計画的な維持管理に繋がります。
メーカーは上記の頻度を推奨していますが、これはあくまで一般的な使用を想定したものです。スポーツ走行や峠道の走行が多いなど、CVTに負荷がかかる使い方をする場合は、20,000kmごとの交換など、より短いサイクルでの管理が推奨されます。
費用については、ディーラーでの交換は安心感が高い一方でやや高額になる傾向があり、カー用品店などでは比較的リーズナブルに交換できる場合があります。ただし、どの店舗で交換するにしても、必ずS660に対応した純正のHMMF(Honda Multi Matic Fluid)を使用してもらうことが絶対条件です。
走行環境別のCVTフルード管理の考え方
使い方の傾向 | 交換目安距離 | 交換目安年数 | 併せて確認したい点 |
---|---|---|---|
通勤メイン・平坦路 | 4〜5万km | 4年前後 | シール類のにじみ、発進時の滑らかさ |
都市部渋滞が多い | 3〜4万km | 3〜4年 | 油温上昇傾向、ファン作動の頻度 |
峠・ワインディング多用 | 2.5〜3.5万km | 2〜3年 | 金属粉の所見、減速時のショック感 |
高走行中古の購入直後 | 状態点検で判断 | 状態点検で判断 | 直近の交換歴と使用オイル規格 |
CVTオイル交換は早めが良い?
メーカー推奨の交換サイクルがある中で、「S660のCVTオイル交換は早めが良い」という声は多くのオーナーや専門家から聞かれます。その理由は、S660が持つ「スポーツカー」としての特性にあります。
一般的な軽自動車と異なり、S660はエンジンの回転数を上げて走る機会が多くなりがちです。特にパドルシフトを使ったスポーティな走行は、CVT内部の温度を上昇させ、オイルの劣化を早める要因となります。劣化したオイルを使い続けると、潤滑性能や冷却性能が低下し、CVTの寿命を縮めることになりかねません。
早めにオイル交換を行うことは、常に最適なコンディションで走りを楽しむための「保険」のようなものです。変速がスムーズになったり、燃費が改善したりといった効果を体感できることもあります。愛車を長く大切に乗りたい、そしてS660本来の性能を常に引き出したいと考えるのであれば、メーカー推奨時期よりも早めのオイル交換を心掛けることが賢明な選択と言えます。
S660オーナーの年齢層は?
S660は、特定の世代に偏ることなく、非常に幅広い年齢層から支持されているのが大きな特徴です。SNSやオーナーズクラブのレビューを見ると、20代の若者から、子育てを終えた50代、60代のベテランドライバーまで、実に様々なオーナーが存在します。
若者層にとっては、比較的手の届きやすい価格で所有できる本格的なミッドシップスポーツカーとして魅力的に映ります。また、AT限定免許のドライバーでも運転できるため、スポーツカーへの入門モデルとしても選ばれています。
一方、シニア層にとっては、かつて憧れたスポーツカーを再び手に入れる「セカンドカーライフ」の相棒として人気です。コンパクトで取り回しがしやすく、維持費も安い軽自動車でありながら、非日常的なドライビングプレジャーを味わえる点が、彼らの心を掴んでいます。このように、S660は世代を超えて「車を運転する楽しさ」を求める人々に愛される、稀有な存在なのです。
S660の女子ウケは期待できる?
S660のデザインは、スポーティでありながらどこか愛嬌のあるコンパクトなフォルムが特徴で、女性からの評判は概して良好です。「かっこいい」と同時に「かわいい」という印象を持つ人が多く、いわゆる「女子ウケ」は期待できる部類に入ります。
特に、オープンカーであるという非日常感や、SNS映えするスタイリッシュな外観は、ドライブデートなどでポジティブな反応を得やすいでしょう。助手席に乗る人にとっても、特別な体験となることは間違いありません。
ただし、評価が分かれるのは実用性の面です。極端に低い着座位置は、スカートを履いている女性にとっては乗り降りがしづらいと感じられることがあります。また、車内は非常にタイトで、手荷物を置くスペースさえ限られます。収納がほぼ皆無であるため、買い物や旅行には全く向きません。
したがって、短時間のドライブを楽しむのであれば好印象を与えられますが、実用性を重視する女性からは不満の声が上がる可能性も考慮しておく必要があります。
まとめ:S660 CVTで後悔しないために
この記事で解説したS660のCVTモデルに関するポイントを、後悔しないためのチェックリストとしてまとめました。購入を最終判断する際の参考にしてください。
- S660のCVTはパドルシフトでマニュアル感覚の走りを楽しめる
- 街乗りやクルージングではMTより快適で楽という評価が多い
- スポーツ走行ではMT特有のダイレクト感には及ばないという声も
- シフトダウン時に特有の変速ショックを感じることがある
- CVT自体の大きな故障は少ないがオイル管理が性能を左右する
- CVTオイル交換は3万~5万kmが目安だが早めの交換が推奨される
- オイル交換費用は工賃込みで1万円から1万5千円程度が相場
- オーナーは20代からシニア層まで非常に幅広いのが特徴
- デザイン性の高さから女性ウケは良いが実用性は低い
- 荷室がほぼ無いためセカンドカーとしての割り切りが必要
- 中古車購入時はメンテナンス履歴の確認が後悔しない鍵となる
- スポーツモードを使えばアクセルレスポンスが向上し走り応えが増す
- MTの運転の楽しさと比較すると物足りなさを感じる可能性がある
- 加速力不足を指摘する声もあるが軽自動車としては十分な性能
- 最終的には運転スタイルと用途を明確にすることが最も大切